クリニック通信ブログ

2012.09.25更新

 
肋間神経痛は、背中から出て胸腹部に分布する肋間神経に起こる痛みです。痛みは、通常、右か左のどちらか一方に現れることが多く、針で刺されたような鋭い発作的な痛みが、繰り返し起こります。持続時間は短く、咳やくしゃみ、車の振動などわずかな揺れでも痛みが誘発されます。
発病は、中年以降に多い傾向にあります。
肋間神経痛は、症状を表す言葉で、原因は様々です。
胸椎椎間板ヘルニア、胸椎捻挫、高齢者の骨粗鬆症による胸椎の圧迫骨折、帯状疱疹ウィルスによる神経痛などがありますが、内臓の重大な疾患(腫瘍・胸膜炎・狭心症・肺炎等)が関係していることもあります。しかし、大半が検査ではわからない原因不明の肋間神経痛であると言われています。原因不明の肋間神経痛は、従来、神経の刺激によるものと考えられていましたが、胸椎の椎間関節、肋椎関節の機能異常や炎症であることが多く、ペインクリニック領域となります
肋間神経痛かな?と思ったら、自己診断せず、必ず、受診するよう心がけましょう。
<肋間神経痛の治療法>
① 薬物療法
炎症や痛みを抑える消炎鎮痛薬、湿布、神経組織を回復するビタミンB剤、帯状疱疹後神経痛に抗ウィルス薬、漢方薬、長引く痛みに抗うつ剤等。
② 神経ブロック療法
肋間神経痛が長引くようであれば、神経ブロックが有効です。痛みの原因となる神経に、局所麻酔薬(必要に応じ、炎症を抑える少量のステロイド剤)を注射する方法です。椎間関節ブロックは、肋間神経痛の中で最も多いとされる胸椎の椎間関節、肋椎関節に由来する痛みに大きな効果をあげています。
肋間神経ブロックは、肋間神経由来の痛みや圧迫骨折や帯状疱疹後神経痛等に有効。胸部硬膜外ブロックは、肋間神経痛の強い痛みに効果的で、胸髄の外側の硬膜外腔に薬液を注入し、神経をブロックします。
③ 理学療法
肋間神経領域に関連する椎間関節にレーザー照射・温熱療法によるキセノン、筋肉収縮により筋肉を和らげる高周波等。
④ 徒手療法(東洋医学)
非常に動きの少ない関節である胸椎椎間関節と肋椎関節の歪みを高度な手技で矯正する関節アプローチ療法なども効果的。
 
 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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