『冷え症』について
2012.09.20更新
ペインクリニック領域の症状で今回は『冷え症』です。冷え症は、単なる体質だから仕方がないとあきらめている方も多いのではないでしょうか。しかし、現代人の8割が冷え症と言われ、切実な問題となっています。冷え症は、医学的に言えば"末梢血管の血行障害"、平たく言えば"血行不良"で、手や足など体の末端部分で血行が悪くなっている状態を言います。血管の収縮と拡張を受け持っている自律神経の調整が上手くできなくなって、手足の先の血行が悪くなり、冷え症になります。人間の体は、寒いと感じると毛細血管を収縮させて体温が外へ逃げないようにし、その後、今度は血管を拡張させて血液を送り込み、体表の温度が下がり過ぎないように調節する仕組みになっています。ところが、その調節がうまくいかず、血管が収縮したままになり、冷たくなってしまうのが冷え症です。また、ホルモンのバランスの乱れや低血圧、鉄欠乏性貧血、外的ストレス(エアコン・締付けのきつい服・ダイエットなど)などによっても、冷え症になり易くなります。
《冷え性の治療法》
① 薬物療法
漢方薬、自律神経調整薬、向精神薬が効果的。
② 星状神経節ブロック療法
自律神経の調子を正常に戻すことにより、様々な症状を改善する星状神経節ブロック療法は、頚部にある星状神経節(自律神経が集まっている神経のツボ)に局所麻酔薬を注入する冷え症に最適な治療法です。
③ 物理療法
星状神経節にレーザー照射やキセノン光による温熱療法、筋肉を収縮させる高周波治療器、ハドマーによる下肢マッサージなど。
④ 徒手療法
関節の歪みによる血液循環悪化や冷え解消に関節矯正の関節アプローチ療法も効果的。
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