突発性難聴・耳鳴り・うなだれ症候群などの難治性不定愁訴

脳神経の不具合による様々な難治性不定愁訴(難聴・耳鳴り・うなだれ首・不眠・めまい・頭痛など)の疾患の多くは、脳幹部の慢性的な血行障害が原因であると推測されています。脳細胞は大量の酸素を消費するため、わずかな血行不良にも弱く、年齢と共に血栓や梗塞などで徐々に脳細胞が死滅していきます。そのため、脳幹(視床下部や延髄)の血行障害を改善させる治療が大きな効果を発揮します。
脳神経・延髄由来の難病には、脳の血行不良を改善し、自然治癒力を高めることが期待できる頚部神経節ブロック(星状神経節ブロック・上頚神経節ブロック)が極めて有効です。頚部神経節ブロックは、近年、脳細胞でさえ再生されることが判明してきており耳鼻科・脳外科領域の治療を一変させる可能性があると言われています。

突発性難聴・耳鳴り・うなだれ首など難治性不定愁訴の治療法

神経ブロック療法

頚部神経節ブロック(星状神経節ブロック・上頚神経節ブロック)療法
頚部の交感神経は、頚部に上・中・下の3ヶ所存在し、このどれかの神経節に局所麻酔薬を注入することを頚部神経節ブロックといいます。頚部神経節ブロックは、脳動脈から各脳神経にいたる多くの血管を拡張させる作用があります。特に、自律神経・免疫・内分泌の中枢である脳幹部(視床下部や延髄)の機能を正常にするので、体全体の自然治癒力を高め、自律神経・免疫・内分泌系の様々な疾患にも有効です。

①星状神経節ブロック
頚部の一番下の神経節である星状神経節(頭・顔・首・腕・前胸部を支配する自律神経のツボ)に注射をする事により、自律神経・免疫・内分泌の中枢である脳の視床下部の機能を正常にし、体全体の自然治癒力を高める治療法なので、自律神経・免疫・内分泌系の様々な症状が改善されます。
②上頚神経節ブロック
頚部にある一番頭側の上頚神経節に注射する事により、脳動脈から各脳神経にいたる多くの血管を拡張させる作用があり、特に脳幹部の血行を改善する作用は星状神経節ブロックよりもはるかに高いと言われています。

頚部神経節ブロックの適応

顔面神経麻痺、三叉神経痛、突発性難聴、耳鳴り、うなだれ首(うなだれ症候群)、自律神経失調症による不定愁訴、花粉症などのアレルギー症状、頭痛、不眠症、
過敏性腸症候群、肩こり、めまい、ふらつき、小刻み歩行、企図振戦、多汗症、
うつ病、神経症、恐怖症、引きこもり、集中力低下、倦怠感、パーキンソン症候群、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、異味症、嗅覚障害、急激な視力低下、
バレリュー症候群(むちうちが原因で起こる自律神経失調症)など(脳梗塞後遺症・物忘れ・記憶障害など研究中)。

リハビリ(理学療法・物理療法)

●レーザー治療
当院のレーザー治療器は、痛みを緩和するレーザーの治療器としては最高出力で、短時間で高い効果が出せます。レーザー光が血管や神経に作用し、発痛物質を抑制することで、疼痛を緩和します。頚部神経ブロック(星状神経節ブロックや上頚神経ブロック)と近似の効果があり、血流を改善し、神経を正常に戻す作用があり、治癒力や免疫力を高めます。痛みを伴わず、副作用のない安全な治療器です。

手技療法

自律神経のバランスを整え不定愁訴を改善する次の手技療法が効果的です。
●遠絡療法(ENRAC療法)
体の二点を同時に押すことにより、元のきれいな生体の流れを取り戻し、人間が本来持つ治癒力を有効に引き出します。生体の流れを良くすることで、身体の痛み・重み・しびれを取り除く治療法です。また、自律神経のバランスを調整し、不定愁訴を改善します。

突発性難聴の症例

1来院までの経緯  (39歳 女性)

3ケ月前、キーンと激しい耳鳴りが生じ放置していたら、突然左耳が聞こえなくなり、耳鼻科を受診した。突発性難聴と診断された。めまいも併発するようになり、抗ウイルス薬・ステロイド薬、末梢神経障害薬・めまい薬など処方されたが、改善せず、ステロイド点滴治療で1週間入院したが、副作用もある上、ほとんど効果がなかった。鼓膜内注射や高気圧酸素治療も試み、鍼灸治療もしたが、治らず途方にくれておられた。

2治療経過

頚部神経節ブロックが難聴に効果があるとネットで知り、来院された。突発性難聴になってから、病院を転々とするも良くならず、今のままでは右耳も聞こえなくなるのではと絶望されていた。脳血流や耳への血流を改善する頚部神経節ブロックが有効とわかりとても安心された。はじめは、頚部神経節ブロックを間隔を詰めて行い、症状が落ち着いてきたら、週に1度実施し「今までの難聴が嘘のように和らぎ、当たり前でなかった普通の生活がやっと出来るようになった」と喜んで頂けた。

3考察

頚部神経節ブロックは、効果の現れ方に個人差がありますが治療直後から効果が実感できる方もいます。又、複数回くり返すことで効果が現れる方もいるので、すぐに効果が出なくても何度か続けて実施して頂きたいです。


うなだれ首の症例

1来院までの経緯  (72歳 女性)

高齢の母が2ケ月くらい前から常に頬を手で支えている状態で徐々に首があがらなくなり、最初は痛みがあったが、今はなく、病院でCT・MRI・血液検査も実施したが、何の異常もなかった。手足も問題なく動くが、依然として首は上がらないまま。整形外科で痛み止めと湿布を処方され、首の筋力強化のための運動やマッサージ、ポリネック等の装具も勧められたが、改善せず、呼吸が苦しく辛そうで、息子さんが、お母様は「うなだれ症候群と言う症状ではないか?」と調べ来院された。

2治療経過

うなだれ首の原因は、脳血流の障害の可能性があるため、頚部神経節ブロックを行ったところ、首が持ち上がるようになった。週1回ブロックを続けたところ徐々に首が保持できるようになり、今では、呼吸のつらさもなくなり、とても喜ばれた。

3考察

うなだれ首は、現医学では原因不明とされているため精神的な問題がなくても精神科をすすめられることもあります。しかし頚部神経節ブロックで効果がみられることから脳血流の障害による症状の可能性があります。脳神経の異常は難聴・めまい・呼吸困難・嚥下困難・三叉神経痛・自律神経失調症・視力低下など様々な症状を発症させます。可能な限り、早期に脳血流を改善する頚部神経節ブロックを行うことをお勧めします。


かわたペインクリニックかわたペインクリニック診療内容
心療内科クリニック通信ブログ
医療機関の方へ求人情報
リンク集Facebook