帯状疱疹後神経痛、帯状疱疹、ヘルペス

帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛とは?

神経に沿って帯状に発疹や水泡がでる帯状疱疹(日本人の6人に1人がかかると言われる)はストレス等で免疫力が低下した時に、子どもの時にかかった水疱瘡のウイルスが活発になって発症します。症状が長引いた場合や高齢者の場合は、皮膚症状が治った後も帯状疱疹後神経痛として慢性の痛みが数年から一生続くことがあります。帯状疱疹後神経痛は激痛(焼けるような痛みや電気が走るような痛み)が持続する難治性疼痛の一つと言われ、外傷が見られないため周囲に痛みが理解されず、患者のQOL(生活の質)は大きく低下します。帯状疱疹後神経痛にならないためには、早期発見・早期治療が大切です。

帯状疱疹の治療

1出来るだけ早期に治療を開始する。

2抗ウイルス薬・痛み止めを服用しウイルス増加と痛みを抑える。

3同時に初期に神経ブロック療法を行い、帯状疱疹の痛みを取り、回復を早め、帯状疱疹後神経痛になるのを防ぐ。

薬物療法

抗ウイルス剤を用いた薬物療法や痛みを和らげるぬり薬など。

神経ブロック療法

神経ブロック療法を行い、急性期から痛みを十分にコントロールすることが帯状疱疹後神経痛への移行を防止するのに非常に有効です。神経ブロック療法は、発疹や水泡の治癒を早めるだけでなく、痛みを和らげます。帯状疱疹後神経痛になってしまうと痛みの除去が困難であるため、帯状疱疹発症後、2週間~1カ月以内に神経ブロック療法を開始すれば、局所麻酔薬で一時的に神経を休ませることで、痛みの悪循環を遮断し、帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐことができます。

帯状疱疹後神経痛の治療

帯状疱疹後神経痛の治療法は、抗うつ薬鎮痛剤、神経ブロック療法、レーザー治療、イオントフォレーシスなど、症状に合わせ治療法をきめ細かく選択して行われます。

神経ブロック療法

硬膜外ブロック

首から足の先まで体のどこにできた帯状疱疹の痛みに効果的です。
背中から脊髄の外にある硬膜外腔(脳から背中につながる脊髄神経を包む硬膜の外側の空間)に局所麻酔薬を注入する治療法です。
硬膜外腔に局所麻酔薬を注入することで、脊髄神経に麻酔がかかり、痛みが脳に伝わる道を遮断して、痛みの悪循環を遮断します。その間に痛みに敏感になっている神経を和らげ、頚部・肩部・上肢・腰部・下肢の血行をよくして痛みを起こす物質を洗い流します。脊髄神経は頚部から足先まで支配しているため、頭部を除く全身(頚部・肩部・胸部・腰部・上肢・下肢)の強い痛みに有効です。

頚部神経節ブロック

頭・顔・肩・上肢・胸部などの帯状疱疹後神経痛に非常に有効です。
頚部の交感神経は、頚部に上・中・下の3ヶ所存在し、このどれかの神経節に局所麻酔薬を注入することを頚部神経節ブロックといいます。

①星状神経節ブロック
頚部の一番下の神経節である星状神経節に注射するのが星状神経節ブロックで、特に、頭・顔・肩・上肢・胸部などの帯状疱疹後神経痛に効果があります。
②上頚神経節ブロック
最も頭側にある神経節の上頚神経節に注射するのが上頚神経節ブロックで、特に顔・頭部の帯状疱疹後神経痛に非常に有効です。

理学療法・リハビリ

帯状疱疹後神経痛に、理学療法士による理学療法、レーザー照射、温熱療法(キセノン)は効果があります。

イオントフォレーシス療法

患部に局所麻酔薬を浸透させたパッドを貼り付け通電することにより、皮膚表面の痛みを軽減させます。薬剤を浸したパッドに弱電流を流し、イオン化した局所麻酔薬を皮下浸透させる薬剤投与(イオン浸透)療法です。痛みを伴わず、副作用がないので、注射に抵抗のある方、高齢者の方にも安心してして頂けます。帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛などの神経障害性疼痛に非常に有効です。

手技療法・心理療法

遠絡療法(ENRAC療法)

体の二点を同時に押すことにより、元のきれいな生体の流れを取り戻し、人間が本来持つ治癒力を有効に引き出します。生体の流れを良くすることで、帯状疱疹後神経痛などの全身の痛み・重み・しびれを取り除く治療法です。また、自律神経のバランスを調整し、不定愁訴を改善します。

整膚療法

整膚とは皮膚を優しく手指で気持ちよくつまんで引っ張ることで皮膚を整え、血行・リンパの流れを良くし、筋肉・内臓・自律神経に良い影響を与える優しいマッサージです。

アロマセラピー

アロマオイルを使用したトリートメントにより心と身体を癒し、ストレスで緊張した神経と筋肉をリラックスさせます。リンパの流れを良くすると共に自律神経のバランスを整え、免疫力を高め、筋肉のこわばりを緩めます。

認知行動療法

「どんな時に痛んだり不安になったりしてその時どう考えたか」、「どんな時に調子よくてその時どう考えたか」など、認知(ものごとの考え方)の歪みを修正して合理的な考え方が出来るように練習することで不安や痛みを軽減します。かたよった思考パターンを正しくしていく治療法です。悲観的思考パターンを健全な前向き思考パターンと比較し、考え方の多様性を知り楽観的思考に傾くように導きます。

薬物療法

鎮痛薬・抗うつ薬・抗けいれん薬・漢方薬などの内服、局所麻酔薬配合の塗り薬などで治療します。最近では、効果の期待出来る新薬が続々と承認されております。
①神経障害性疼痛薬の「リリカ」は、従来の鎮痛薬とは全く異なる新しい作用の薬剤で、既存の治療法で痛みを取りきれない場合にも大きな効果が期待できます。帯状疱疹後神経痛は、脳内の痛みを伝える神経伝達物質の過剰放出によって疼痛が引き起こされており、「リリカ」はこの過剰に興奮した神経伝達物質の放出を抑制し大きな鎮痛作用を発揮します。
②「トラムセット配合錠」は、非オピオイド鎮痛薬で治療困難な非癌性慢性疼痛や抜歯後疼痛に適応があり、患者様のQOL向上に貢献できる薬剤として期待されています。国内長期投与試験では、鎮痛効果が52週まで持続し、長期にわたる疼痛コントロールの維持が可能であることが確認されています。
③「ノルスパンテープ」は、貼付タイプの経皮吸収型の持続性疼痛治療剤で、「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な変形性関節症および腰痛症に伴う慢性疼痛における鎮痛」を効能・効果とする薬剤です。

最新の薬物療法

  • 最近、承認された新薬「リリカ」は、従来の鎮痛薬とは全く異なる新しい作用の薬剤で、既存の治療法で痛みを取りきれない場合にも大きな効果が期待できます。帯状疱疹後神経痛は、脳内の痛みを伝える神経伝達物質の過剰放出によって疼痛が引き起こされており、「リリカ」はこの過剰に興奮した神経伝達物質の放出を抑制し大きな鎮痛作用を発揮します。
  • 2011年4月に承認された「トラムセット配合錠」は、非オピオイド鎮痛薬で治療困難な非癌性慢性疼痛や抜歯後疼痛に適応があり、患者様のQOL向上に貢献できる薬剤として期待されています。国内長期投与試験では、鎮痛効果が52週まで持続し、長期にわたる疼痛コントロールの維持が可能であることが確認されています。
  • 「ノルスパンテープ」は、貼付タイプの経皮吸収型の持続性疼痛治療剤で、「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な変形性関節症および腰痛症に伴う慢性疼痛における鎮痛」を効能・効果とする薬剤です。

帯状疱疹後神経痛の日常の注意点

これらの治療でも痛みを取り除くことが難しい場合もあります。気長に治療すること、むしろ痛みを受け入れて、痛みと上手につきあって生活していくことも大切です。

1入浴がお勧め!

体を温めましょう。体を温めることで、血行をよくして痛みを和らげる。

2散歩がお勧め!

筋肉が萎縮しないように、適度な運動を心がけましょう。

3趣味を持ちましょう!

積極的に取り組めるものを作りましょう。痛み以外のことに気が向くようにする。

「帯状疱疹後神経痛」の症例1

1来院までの経緯  (64歳 女性)

左腹部にヘルペスが発症し、皮膚科で帯状疱疹と診断された。薬の処方で湿疹と痛みが一旦無くなったが、1週間後再び痛みが激しくなり帯状疱疹後神経痛と診断され皮膚科の紹介で当院を受診された。

2治療経過

初診時は、帯状疱疹後神経痛による刺し込むような痛みが数分感覚で起こり、その度に痛みをこらえる動作をし「夜も眠れなく生きているのが辛い」と訴えられていました。飲み薬と塗り薬以外に硬膜外神経ブロック注射を週1回実施し、治療をする度に痛みは軽快していき、約1ヶ月治療を行った時点で、ほとんど痛みを感じなくなったと喜んで頂きました。

3考察

帯状疱疹発症から出来るだけ早期に神経ブロック治療を行えば痛みが軽くなるだけでなく、後遺症の神経痛に移行するのも防げるので、早期受診して頂くことが重要となります。


「帯状疱疹後神経痛」の症例2

1来院までの経緯 (72歳 男性)

右背部の発疹を虫刺されと思い放置していたが痒みと同時に痛みがあったため、皮膚科を受診し帯状疱疹と診断され、薬で湿疹も痛みも無くなった。1年後右背部~脇下に体を動かすと激痛が走るため、整形外科や神経内科を転々とした末、皮膚科で帯状疱疹後神経痛と判明した。今まで鎮痛薬を処方されたが、痛みは全く治まらず、悲痛な思いで、1年前、ご家族がインターネットで調べ来院された。

2治療経過

初診時は注射に少し抵抗があるとのことでイオントフォレーシスと同時にレーザー治療を行い抗うつ薬を処方しました。しかし、刺し込むような激痛が治まらず硬膜外神経ブロックを開始し週1回継続して行い、痛みが飛躍的に軽快し日常生活に支障の無い程度にまで回復されました。又、来院後に認可された帯状疱疹後神経痛に画期的効果を示す脳に働きかける新薬を従来治療に加え処方し、症状がより緩和されました。

3考察

慢性化した帯状疱疹後神経痛は難治性であり、症状や程度により、抗うつ・抗不安薬・イオントフォレーシス・神経ブロック・レーザーなど様々な治療をきめ細かく組合せ実施する必要があります。又、痛みが継続的に脳に発信され神経が変調して起こる病気なので受診科が判断しにくく、鎮痛剤が効かないため他科を転々として当院に辿りつかれる場合が多い


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