自律神経の不調(冷え性・更年期障害など)

自律神経失調症とは?

この頃どうもからだの調子悪い。なんだかイライラする。頭痛が続く。
でも、病院で診てもらっても原因がはっきりしない。そんな状態のことを自律神経失調症と言います。自律神経失調症とは、精神的なストレスや気温変化等の外的刺激が長時間続くと、全ての器官を調整している自律神経がそれらを排除しようと頑張るあまり、体を守ろうと防御反応を起こして、自律神経自体のバランスを崩してしまい、全身の機能に支障をきたす病気です。自律神経失調症には様々な症状が出ます。

自律神経失調症による不定愁訴

  • 冷え性
  • 更年期障害
  • アレルギー症状(花粉症・アトピー性皮膚炎・気管支ぜんそく・アレルギー性鼻炎)
  • 突発性難聴、耳鳴り
  • 顔面神経痛、三叉神経痛
  • 頭痛、片頭痛
  • うなだれ症候群(うなだれ首)
  • 不眠症
  • めまい
  • 食欲不振、疲労倦怠感
  • 便秘、下痢
  • 月経異常、生理痛
  • 多汗症、口内炎

冷え性

「冷え」も自律神経失調症の中では代表的な症状の一つです。冷え性の症状は、血管収縮により、慢性的に細胞の栄養不足や酸素低下状態となり、その結果、頭痛・肩こり・疲れ易い・体力がない、肌荒れ、血色不良、腹痛・便秘・蹴り、生理不順、足のむくみなど生じます。 体温が一度下がるだけで免疫力が30%以上も低下するといわれ、冷え性は万病の元といっても過言ではありません。
「冷え性」と聞いて真っ先にイメージされるのは手先や足先の冷えだと思いますが、実は冷え性の症状はそれだけではありません。冷え性から下記のような症状おこります。

風邪

適切な体温調節ができないため体が弱り、風邪などをひきやすくなってしまいます。

腹痛・下痢

体が冷えると共に腹部が冷えて、腹痛や下痢を起こしやすくなってしまいます。

集中力の低下

体の冷えが気になることで、集中力が低下してしまいます。

疲労

毛細血管が収縮しているため、酸素を体中に供給する機能が低下してしまい、疲労がたまりやすくなります。

不眠

体の冷えが気になってしまうので眠れなくなってしまいます。また眠れたとしても、非常に浅い眠りしか出来ない状態になります。冷え性の症状は、血管収縮により、慢性的に細胞の栄養不足や酸素低下状態となり、その結果、頭痛・肩こり・疲れ易い・体力がない、肌荒れ、血色不良、腹痛・便秘・蹴り、生理不順、足のむくみなどが生じます。 体温が一度下がるだけで免疫力が30%以上も低下するといわれ、冷え性は万病の元といっても過言ではありません。

自律神経失調症のチェック

以上の項目に5つ以上当てはまるようなら、自律神経失調症の疑いがあります。
下記の症状で思い当たる節が無いか、チェックしてみましょう。

  • 疲れがとれない
  • 頻繁に頭が痛くなる
  • 頻繁に腰が痛くなる
  • 頻繁に動悸が起こる
  • 肩がこりやすい
  • 胃の調子が悪い
  • めまい・立ちくらみがよく起きる
  • 乗り物酔いしやすい
  • 手足にしびれや震えを感じる
  • 夏でも手足が冷える
  • 冬でも大量の汗をかく
  • 下痢・便秘になりやすい
  • 憂鬱な気分になることが多い
  • 寝つきが悪い
  • 胸に圧迫感を感じる
  • 生活リズムが不規則だ

更年期障害

女性の場合、卵巣の機能が衰え始め、ホルモンバランスが急激に変調する閉経前後約10年間の更年期(約45~55歳)に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下することによる身体的・精神的不調を更年期症状と言い、それら更年期症状が日常生活に支障をきたす場合を更年期障害と言います。近年、女性更年期の早期化や男性の更年期障害も問題視されています。男性は女性よりホルモン低下が緩やかなため症状は出にくいが、男性ホルモン(テストステロン)が減少し始め、様々な肉体的・精神的負荷がかかる40歳以降に更年期障害になることがあります。更年期障害の症状は一定せず症状の出方にも波がある(「不定愁訴」という)のが更年期症状の特徴といえます。ホルモンバランスが乱れることにより、自律神経のバランスも崩れ、自律神経失調症と同じ様な症状が出ます。主に、無気力・集中力低下、血管運動障害(ホットフラッシュと呼ばれるのぼせや発汗・ほてり、動悸・めまい)、他に精神神経障害イライラや気力減退、うつ・不眠)、身体障害(肩こりや頭痛、頻尿・皮膚障害)、放っておくと、骨粗しょう症・高脂血症、動脈硬化などが起き易くなるので、年のせいとあきらめず、必ず、受診しましょう。

自律神経失調症の治療

薬物療法

漢方薬、自律神経調整薬、ホルモン剤、向精神薬が有効です。

神経ブロック療法

頚部神経節ブロック(星状神経節ブロック・上頚神経節ブロック)療法

頚部の交感神経は、頚部に上・中・下の3ヶ所存在し、このどれかの神経節に局所麻酔薬を注入することを頚部神経節ブロックといいます。頚部神経節ブロックは、脳動脈から各脳神経にいたる多くの血管を拡張させる作用があります。自律神経・免疫・内分泌の中枢である脳幹部(視床下部や延髄)の機能を正常にするので、体全体の自然治癒力を高め、自律神経・免疫・内分泌系の様々な疾患にも有効です。自律神経失調症による不定愁訴に非常に有効です。

リハビリ(理学療法・物理療法)

理学療法士による理学療法、頚部神経節(星状神経節や上頚神経節)にレーザー照射、キセノン光による温熱療法、筋肉を収縮させる高周波治療などの物理療法が有効です。注射を苦手と感じる方、抵抗のある方にはお勧めの治療法です。

レーザー治療

当院のレーザー治療器は、痛みを緩和するレーザーの治療器としては最高出力で、短時間で高い効果が出せます。レーザー光が血管や神経に作用し、発痛物質を抑制することで、疼痛を緩和します。頚部神経ブロック(星状神経節ブロックや上頚神経ブロック)と近似の効果があり、血流を改善し、神経を正常に戻す作用があり、治癒力や免疫力を高めます。痛みを伴わず、副作用のない安全な治療器です。

手技療法

●遠絡療法(ENRAC療法)
体の二点を同時に押すことにより、元のきれいな生体の流れを取り戻し、人間が本来持つ治癒力を有効に引き出します。生体の流れを良くすることで、身体の痛み・重み・しびれを取り除く治療法です。また、自律神経のバランスを調整し、不定愁訴を改善します。
●アロマセラピー
アロマオイルを使用したトリートメントにより心と身体を癒し、ストレスで緊張した神経と筋肉をリラックスさせます。リンパの流れを良くすると共に自律神経のバランスを整え、免疫力を高め、筋肉のこわばりを緩めます。

心理療法

●認知行動療法
「どんな時に痛んだり不安になったりしてその時どう考えたか」、「どんな時に調子よくてその時どう考えたか」など、認知(ものごとの考え方)の歪みを修正して合理的な考え方が出来るように練習することで不安や痛みを軽減します。かたよった思考パターンを正しくしていく治療法です。悲観的思考パターンを健全な前向き思考パターンと比較し、考え方の多様性を知り楽観的思考に傾くように導きます。
●腹式呼吸法
痛みや不安になると人は浅く早い呼吸でする傾向にあります。それがまた新たな身体症状を生み出す引き金になります。深くゆったり呼吸をお腹でする事で痛みや不安を和らげることができます。

自律神経失調症の症例

1来院までの経緯 (47歳 男性)

仕事の過労と家庭内の問題が重なり、数年前から目まいを頻繁に感じるようになり、さらに慢性的な頭痛と微熱が生じるようになりました。いくつかの病院で検査しても異常なく最終的に自律神経失調症と診断された。薬を大量に処方されたが良くならず、ホームページにて当院を調べ来院された。

2治療経過

自律神経失調症は薬を飲めば治るという単純なものではなく、様々な治療を組み合わせアプローチする必要があります。まず交感神経優位となった自律神経のバランスを正常に戻す星状神経節ブロックを行いました。又、ストレスなどの個人的な問題が治療に関ってくるので、当院の心療内科でじっくり症状や悩みを聞きながら各種心理療法の中から合うものを実施し、ぐるぐる周囲が回るような回転性めまいと微熱の症状がマシになった。

3考察

自律神経失調症はいくつもの症状を抱え、気のせいにされたり周囲に理解してもらえなかったり、病院にいってもはっきりした原因がわからず、本人にとって非常に苦しい病気です。体と心の両面に原因があったり、症状も体と心の両方に現れたりするので、心療内科的アプローチもとても重要となります。

冷え性の症例

1来院までの経緯 (37歳 女性)

冬だけでなく夏でも冷房下で冷えを感じ靴下が手放せない。運動しても手先だけ冷たく、夜も足先の冷えのためなかなか眠れず万年寝不足で朝から体がだるくてとても辛い。複数の病院に行ったが血液検査等は異常なく、自律神経失調症からくる冷え症と診断を受け、ビタミン剤等の薬を処方された。しかし、症状はまったく改善されないままで、もう治らないのではと諦めていた時、友人の勧めで当院を知り来院された。

2治療経過

血管の収縮と拡張を受け持っている自律神経の調整がうまく出来なくなり冷え症になるので、自律神経のバランスを正常に戻す最も有効な治療法である星状神経節ブロックを行いました。また、不眠症状もあるため、当院の不眠外来にて睡眠に対する正しい知識や生活習慣に関する睡眠障害対処の指導を行い、冷えと不眠の症状が緩和したと喜んで頂きました。

3考察

自律神経失調症の人は大半が冷え症です。血液循環が悪く低体温のためさまざまな不定愁訴(不快な自覚症状)が現れます。体温が一度下がると免疫力が30%低下すると言われ冷え症は万病の元です。冷え症の解消が自律神経失調症の改善の早道ともいえます。

自律神経症・チック症状の漢方外来の症例

1来院までの経緯 (20歳 男性)

子供の頃から、瞼が痙攣し顔がゆがむチック症状が現れた。年齢が上がると共に、症状が緩和していたが、最近、就職による環境の変化でチック症状が再発。他院で抗不安薬を処方されるが、薬の副作用によるふらつきや胃痛で仕事にならず、当院が西洋医学・東洋医学不問の心療内科併設クリニックと知り来院された。

2治療経過

ストレス等によって肝気が高まると、瞼や顔面の痙攣、手足の痙縮といったチック症状が起こることがあります。これらの症状を改善する漢方薬を抑肝散(よくかんさん)といいます。この漢方薬は神経の高ぶりを鎮め、筋肉のこわばりやつっぱりを緩めて心と体のバランスを保つのに役立ちます。抑肝散の服用から1ヵ月で瞼の痙攣や顔のゆがみもなくなり、薬の副作用によるふらつきや胃痛もないので休職せずに勤続でき喜ばれた。

3考察

漢方薬は植物の根や茎や種など、自然界にあるものが主な原料となっているため、西洋薬と違い、副作用が少なく安心して服用することができます。又、症状を緩和するだけでなく根本から体質を改善するのにも役立ちます。即効性も期待でき、自然の力で病気を治すという点も魅力の一つです

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