漢方の生薬⑥麦門冬(ばくもんとう)
2013.02.22更新
漢方の生薬がまた入手できましたので、ご紹介していきたいと思います。
今回は麦門冬です
麦門冬(バクモンドウ)は、 身近に見られるジャノヒゲです。
ジャノヒゲの根の肥厚部を乾燥させた生薬で、去痰薬として漢方に配合されます。
下の写真のジャノヒゲをご覧になったことはありますか
歩いていると、花壇の縁や垣根の下にジャノヒゲが植えられているのを見かけることが出来ます。
皆さんも家の庭や小学校の中庭にジャノヒゲが植えられていた記憶がありませんか?
毎日なにげなく見ている植物の根が、漢方の生薬の麦門冬だなんて、なんだか不思議な気がします。
漢方の生薬シリーズをしていると、普段何気なく見過ごしている身近な植物の中に薬草が多いことがわかります。
昔の人は身近な植物が薬として利用できないか色々試されたのでしょう
【麦門湯の成分】
ステロイドサポニン、ホモイソフラボノイドなど。
【薬効】
喉を潤して、痰を切りやすくして咳を鎮める働きがあります。
また咳き込んで顔を赤らめるような症状、つまり(激しい発熱ではないけれど)熱をもったような状態を、麦門冬が冷ましてくれます。
【漢方処方例】
麦門冬湯(バクモンドウトウ)、
竹茹温胆湯(チクジョ ウンタントウ)
辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)など多数。
例えば、「麦門冬湯」は、老人の咳き込みのように、喉(気道)が乾ききって痰がうまく切れず、顔を赤らめて咳き込むような症状に用いられます。
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