クリニック通信ブログ

2012.09.09更新

1.帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛の治療法

『かわたペインクリニックにおける来院理由となる症状(上位10位)』の第3位となった『帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛』についてお話したいと思います。
『帯状疱疹』は、子どもの時にかかった水疱瘡のウィルスが神経の中に潜んでいて、身体の抵抗力が落ちた時に再活動を始め神経を伝わって、発疹が帯のように現れます。帯状疱疹の痛みは、皮膚症状が現れるのと前後して、ウィルスによる炎症が起こり神経が刺激されるため、ズキンズキンする痛みが現れます。通常、1カ月くらいでかさぶたがとれて治っていきますが、皮膚の症状が消えた後にも痛みが残る場合があります。これを『帯状疱疹後神経痛』といいます。帯状疱疹後神経痛の痛みは、ウィルスが神経を傷つけるために起こり、ピリピリした痛みで、衣服がすれるだけでも痛みを起こすことがあります。一方で、何かに集中していると痛みを感じなかったりするという特徴もあります。一生痛みが残る場合もあります。
《帯状疱疹の治療法》
①出来るだけ早期に治療を開始する。
②抗ウィルス薬・痛み止めを服用しウィルス増加と痛みを抑える。
③同時に初期に神経ブロック療法を行い、帯状疱疹の痛みを取り回復を早め帯状疱疹後神経痛になるのを防ぐ。
《帯状疱疹後神経痛の治療法》
①神経ブロック療法
☆星状神経節ブロック

顔・頭・手の帯状疱疹には星状神経節ブロックを行います。血の巡りがよくなり痛みがらくになります。
☆硬膜外ブロック
脊髄の周りの硬膜外という所に局所麻酔薬を注入する硬膜外ブロックは、神経を一時的にしびれさせて痛みをとるので、 首から足の先まで体のどこにできた帯状疱疹の痛みにも効果的です。
②物理療法
レーザー照射、温熱療法、電気刺激療法、等
③薬物療法
鎮痛薬・抗うつ薬・抗けいれん薬・漢方薬などの内服、局所麻酔薬配合の塗り薬などで治療します。
これらの治療でも痛みを取り除くことが難しい場合もあります。気長に治療すること、むしろ痛みを受け入れて、痛みと上手につきあって生活していくことも大切です(下記参照)。
①入浴(体が温まり血行がよくなり痛みが和らぐ)
②保温(寒さ・冷たさが痛みを増強する場合がある)
③患部への刺激を避ける(サラシや包帯を巻いた後に衣服着用等)
④ストレス・疲労を避ける(睡眠を十分にとり、リラックスして過ごす)
⑤趣味を持つ・積極的に外出(痛み以外のことに気が向くように)
 

 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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