クリニック通信ブログ

2012.09.10更新

1.肩関節周囲炎の治療法

『かわたペインクリニックにおける来院理由となる症状(上位10位)』の第6位となった『肩関節周囲炎』についてお話したいと思います。

 『肩関節周囲炎』とは、一般的に四十肩・五十肩とも呼ばれ、主に壮年期以降に肩関節の痛みと運動障害を伴う病気の総称です。
肩関節とその周辺組織の退行変性(加齢による筋力の低下と衰え)による炎症が原因と考えられています。
症状としては、急性期では、安静時の疼痛や運動時の激痛を感じ、特に夜間痛が激しく、睡眠障害なども生じることがあります。慢性期では、炎症がおさまり、安静時の疼痛は消失し運動時の痛みは軽くなりますが、運動制限(可動域制限)が顕著になります。特に、腕を上にあげたり、手を後ろに回すことができにくくなり、日常生活に支障をきたします。
治療を怠ると、治癒までに長期間を要し、後遺症(肩が固まって機能障害を残したまま回復しない状態)が残る場合もあります。早期診断・早期治療が大切です。
《肩関節周囲炎の治療法》
急性期→安静とアイシング、早期治療(①、②)が大事。
慢性期→運動と保温、長期的治療(①~⑤)が大事。
① 薬物療法
炎症や痛みを抑える消炎鎮痛剤や抗炎症薬、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩薬、末梢神経の働きを正常にする末梢循環改善剤、湿布や塗り薬などを処方します。
② 神経ブロック療法他
☆肩甲上神経ブロック、トリガーポイント注射
肩の痛みがある部位に局所麻酔薬を注射することにより、痛みの悪循環を改善します。硬膜外ブロックや星状神経節ブロックとは違い、比較的浅い神経に注射するため、通常の予防注射などと同様に気軽に受けて頂くことが可能です。
☆肩関節内注射
肩関節内に炎症を抑える副腎皮質ホルモンと局所麻酔薬の混合液、又は、ヒアルロン酸ナトリウムを注射し、疼痛を和らげます。
③ 物理療法
キセノン光による温熱療法、肩関節の圧痛点・経穴にレーザー照射やSSP(針治療と同様効果)、高周波(筋肉収縮)など。
④ 徒手療法
肩関節矯正の関節アプローチA療法なども効果的。
⑤ 運動療法他
肩関節の可動域改善訓練や肩の体操(ダンベル体操)、入浴中・入浴直後の運動、肩の保温(サポーター等)が有効。

 

 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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