クリニック通信ブログ

2012.09.12更新

<三叉神経痛の治療法>

今回は、『かわたペインクリニックにおける来院理由となる症状(上位10位)』の第9位となった『三叉神経痛』についてお話したいと思います。
 『三叉神経痛』とは、顔の感覚を脳に伝え、ものを噛むときに使う筋肉をコントロールしている三叉神経(脳幹から眼神経・上顎神経・下顎神経につながる三つの枝から出来ている第五脳神経)の機能不全により痛みが生じる病気です。
三叉神経痛には次の二種類があります。
特発性神経痛は動脈硬化などで屈曲した脳深部の動脈や静脈などの血管が三叉神経を圧迫することによって痛みが生じると言われています。
② 続発性神経痛は他の病気(帯状疱疹や中耳炎、蓄膿症、虫歯等)が原因で起こる神経痛で、これらの病原菌が炎症を起こし、神経が刺激されて、痛みが生じます。
 症状としては、突然顔面に激しい痛みが襲います。それは針で刺されたような、或いは電気が走るような痛みで鼻から耳にかけての部分や口から顎にかけての部分に現れます。顔に触る、口を動かす、風が当たるなどで誘発される痛みは数秒間から数分間続き、その後しばらくしてからまた再発します。そのような症状が数日から数ヶ月続きます。激しい痛みのため、食事が十分とれず、またしゃべることもままならないため、精神的にも肉体的にも憔悴してしまう病気と言われています。年間の発症率は10万人に約4人で、男性よりやや女性に多く、中年以降に発症し、11月や2月に痛みがひどくなる方が多い。痛みを我慢したり、年だからとあきらめず、適切な治療を受けるよう心がけましょう。

《三叉神経痛の治療法》
① 薬物療法
神経膜を安定させる作用がある抗てんかん薬であるテグレトールは、神経の伝達を抑える薬で三叉神経痛の特効薬と言われます。その他、鎮痛剤や精神安定剤、ビタミン剤、漢方薬、帯状疱疹が原因の場合は抗ウィルス剤を処方。
② 神経ブロック療法
痛みがある神経や神経節に局所麻酔薬を注射することにより、痛みの伝達を抑えて、痛みを和らげます。特に、三叉神経ブロックは感覚刺激の入力を遮断し、疼痛を起こしている小脳橋角部に操作を加えることなく痛みを鎮める効果がある。
③物理療法

圧痛点・経穴・星状神経節にレーザー照射やSSP(針治療と同様効果)、高周波ブロックなど。

 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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