クリニック通信ブログ

2012.09.15更新

<顔の痛みの治療法>

かわたペインクリニックの来院理由として多くみられるペインクリニック領域の症状(上位10位以外)で、今回は『顔の痛み』についてお話します。 

『顔の痛み』には、以前お話した来院理由第9位の三叉神経痛の他に、下記のようなものがあります。
①顔面神経麻痺は、顔の表面の筋肉(表情筋)をコントロールする顔面神経が麻痺して、顔の筋肉が動かせなくなる疾患です。片目だけ閉鎖できなかったり、口を片方のみすぼめることができなくなるなど、主に左右どちらか片側だけに起こる疾患です。顔面神経が何らかの炎症や病変により麻痺を起こします。水痘帯状疱疹ウィルスによる顔面神経麻痺をハント症候群といい、繰り返す原因不明の顔面神経麻痺をベル麻痺といいます。
②顔面けいれんも、主に左右どちらか片側だけに起こり、片側の眼や口の周囲の筋肉がピクピクとけいれんする病気です。典型的には瞼の下のぴくつきから始まり、数年の経過で、徐々に顔の片側全体に拡がることが多く、ひどくなると眼が開けられなくなったり、長期間放っておくと筋肉が萎縮してしまうこともあります。原因は、顔面神経が血管によって圧迫されることにより起こります。女性に多く、50歳前後より認められ、症状の寛解(一時的によくなること)はあるが進行性の病気です。
③顎関節症は、顎関節とその周辺の筋肉の異常や疼痛、関節雑音、顎の運動障害が主な症状です。原因としては、不正な咬み合わせや咀嚼(そしゃく)筋肉の緊張など顎関節の異常、外傷による下顎頭の変位や関節リウマチによる変形、ストレスなどによる精神的な要因があげられます。
その他、眼科疾患や耳鼻科疾患、頭蓋内疾患、口内疼痛などによる顔の痛みもありますので、必ず医師の診断を早期に受けましょう。
《顔の痛みの治療法》
① 薬物療法
顔面神経麻痺には血管を拡張する血管拡張剤や副腎皮質ステロイドの代謝を促進する薬、顔面けいれんには精神的な緊張をほぐす精神安定剤、顎関節症には非ステロイド性抗炎症薬・中枢性筋弛緩薬・抗不安薬・抗うつ薬など。
② 神経ブロック療法
痛みの引き金となる部位にトリガーポンイト注射、顎関節内注射、星状神経節に局所麻酔薬を注射する星状神経節ブロックにより痛みの伝達を抑え、痛みを和らげる。
③ 物理療法
圧痛点・経穴にレーザー照射、SSP(針治療と同様効果)等。
④ 徒手療法
関節矯正の関節アプローチ療法も効果的。

 

 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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