クリニック通信ブログ

2012.10.02更新

1.関節内注射とは?

関節とは、骨と骨のつなぎ目の部分で、レントゲンでは骨しか見えませんが、それ以外に軟骨や滑膜と関節の袋である関節包に覆われています。
この関節包の中、関節腔へ注射するのが、関節内注射です。適応は、関節炎や変形性関節症などで、関節包内に痛みの原因がある時に効果があります。
関節の動きを円滑にして磨耗を抑え、痛みを抑える関節内注射の注射薬には、ヒアルロン酸とステロイド剤があります。
2.関節内注射①ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸は、関節軟骨や関節液に含まれる成分の一つで、関節内に注入することにより、関節の疼痛を緩和炎症を抑制します。又、関節の動きを滑らかにし、関節可動域が大きくなることや関節軟骨を保護・修復して、関節症の進行を抑制することが、研究で確認されています。
ヒアルロン酸注射は、初期の痛みや症状の軽いうちに行うと大きな効果が期待できます。
又、炎症を抑える働きもあるため、ある程度症状が進行してからも効果的です。
痛みや症状の強弱に関らず幅広く使用され、約7割の患者様の関節痛や腫張が改善することが知られています。薬剤の安全性が求められる今、ヒアルロン酸は副作用がほとんどなく非常に安全で長期に安心して使用できる有難い注射薬です。
軟骨を保護し、軟骨再生を促進してくれるヒアルロン酸注射は、今後も、関節痛に悩む患者様のQOL(生活の質)向上に寄与するために、必要不可欠な治療であり続けるでしょう。
3.関節内注射②ステロイド注射
頑固な疼痛を認める症例や関節水腫を認める症例に対して、大きな抗炎症作用が期待できます。
内服薬で改善しない関節炎に対して、ステロイド剤を注入すると、劇的に症状がよくなることがありますが、頻回に行うとかえって関節症状を悪化させる場合がありますので、長期使用は好ましくありません。
4.関節水腫とは?
関節に過度の負担がかかった時に炎症をおこし、その結果、多量に産生された関節液が関節の中にたまった状態を「関節水腫」と言います。
変形性膝関節症でしばしば見られる症状で、膝に多量の関節液がたまったままの状態でいると腫れによる痛みが出て、関節の動きが悪くなるため、このような場合、膝の水を抜いて、ヒアルロン酸を注入します。
癖になると心配する方がいますが、癖にはなりませんので、安心下さい。

 加齢とともに身体のヒアルロン酸は減少していき、関節痛が生じ易くなります。歩き始める時に膝に違和感を覚えたり、腕を上げるのが困難に感じたら、早期に受診下さい。

 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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