クリニック通信ブログ

2012.10.02更新

再生医療の分野で、自分の細胞を培養して患部に貼り付ける細胞シート治療法の実用化が近づいていると話題になっています!

膝関節なら削れた軟骨部分に、
心筋梗塞には心臓の外側に、
歯周病の人は歯の骨が溶けた所に貼る。

この細胞シートの治療はまだ臨床試験段階ですが、受けた人の症状が劇的に改善されているそうです。

自分の細胞切り取って培養―ぺたんと貼って骨や臓器が生き返るなんて夢のような話ですね...

 ある男性は、20年前に左足膝のじん帯断裂の事故をきっかけに、変形性膝関節症に苦しんでいたところ、東海大学病院で細胞シートの手術を受け、劇的に改善したそうです。

変形性膝関節症は痛みは取れても治らない病気と思われていましたが、自分の細胞を摘出して培養する細胞シートにより、骨や軟骨を増やして再生できるようになりました。」(主治医医師)

   歩行困難になっていたのが嘘のように、手術から3か月に左膝の骨も軟骨も再生して剣道の打ち込みまでできるほど回復しておられるそうです。

 また、 ある女性は、重い歯周病で右奥歯3本の歯茎内の骨が溶け、東京女子医科大で細胞シートの手術をしたそうです。まず、細胞シートを作るために親知らずを抜き、歯の根元の歯根膜を採取して1か月間かけて1万倍の歯根膜細胞を培養しました。そして、細胞シートを5ミリに切って、3か所の歯茎に植え付けると、骨が再生すると説明されたそうです。今まで歯周病の骨は再生不可能なため現状維持の対処療法しかできませんでしたが、細胞シートを使えば根本治療が可能になるのです。
  
 
 
 また、太ももの筋肉から細胞シートを作り、左脇の下を10cm開き、心臓の患部に貼る手術をされた症例もあります。細胞シートから、「サイトカイン」と呼ばれるタンパク質が分泌されることで、新たに毛細血管ができたり、弱った細胞自体が元気になり、心臓を拍動させる力がよみがえると考えらています。細胞シートによる治療は、患者様自身の細胞を利用しているため、拒絶反応などの心配も無く、心臓自体にメスをいれないため、患者様の体への負担を抑えることができるのだそうです。

  細胞シートはまだ臨床研究段階だそうですが、心臓での治療はすでに治験に入っており、あと2~3年で実用化および保険診療での治療を目指しているのだそうです

 痛みの治療はもちろん、ガンや糖尿病、脊髄損傷、アルツハイマーなどさまざまな病気の治療方法に、この細胞シートは必ず役立っていくのでしょうね!


投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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