クリニック通信ブログ

2012.10.05更新

1. 心理療法とは?

心理療法とは化学的・物理的療法とは異なり対話や訓練などを通して不安や緊張を解消していくことで心の負担を取り去り、心のバランスを整えていく療法です。心療内科における心理療法は薬物療法と同等の効果があり、薬物療法と心理療法を組み合せて併用した方がさらに有効性を発揮すると言われています。
2.心理療法の種類
心理療法には様々な種類がありますが、かわたペインクリニックの心療内科では主に下記の心理療法を取り入れています。
①カウンセリング(支持的精神療法・精神分析)
患者様が安心して話せるよう「受容」的態度で、話をよく「傾聴」し、その苦痛を理解し「共感」しながら、質問に対して適切な説明をしたり色々なアドバイスをしたり、会話を交わしながら進めていくのが、全ての心理療法の基本となります。これだけで症状がよくなるケースも少なくありません。
②認知行動療法
悩みや症状の原因となる受け止め方(非理性的な思い込み)を理性的なものに変えることで感情や行動を変化させ、悩みや症状を軽減します。悩みのタネになっている不適切な行動や症状は、過去の経験により身についたものと考え、「どのような時にどのような行為をするか」という目に見える行動として認識し、その具体的な行動の変容を目指します。認知を変えることで行動を変容させることを目的とした認知行動療法は、治療効果が科学的に証明され、米国や英国で盛んに行われています。薬物療法と認知行動療法は脳への作用の仕方が違うため、症状や状態に合わせて併用すると治療効果がさらに高まります。

3.花粉症~2011年傾向~

現在花粉症は日本人の約25%を占め国民病とも言われます。日本気象協会によると今春スギ・ヒノキ花粉の飛散開始時期は近畿で2月中旬頃と例年並みですが、昨年の猛暑の影響で花芽の生育がよく、総飛散量は昨春の2~11倍になる恐れもあるとして、早めの対策を呼びかけています。花粉症とはスギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどのアレルギー症状を起こす病気です。花粉症の症状は鼻の三大症状の他、目の症状(かゆみ・痛み)、咳・イライラ感・頭痛・倦怠感など様々な症状がみられ、人によっては日常生活に支障をきたす場合もあります。症状や時期には個人差があり、原因となる植物も50種以上あるので花粉の種類を特定する血液検査を実施すると飛散時期に応じた初期治療が可能となります。つらい季節を快適に乗り切るために医師と相談しながら自分にあった初期治療を始める必要があります。
4.花粉症~かわたペインクリニックの最新治療~
花粉症は症状が悪化する前に治療を実施すると下記の通り症状をコントロールし易いので初期治療が非常に重要です。
①症状の出現を遅らせられる
②飛散量の多い時期の症状を軽くできる
③併用する薬量や治療回数を減らせられる、等。
【薬物療法】
花粉症に使われる薬には、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤があり、それぞれ内服薬・点鼻薬・点眼薬があります。副作用が少なく体質改善を行う漢方薬もあります。
【星状神経節ブロック療法】
交感神経の中継所となる首の星状神経節付近に麻酔薬を注射することで、様々な体のトラブルの原因となる交感神経の過緊張を和らげ、更に血流を良くして弱った細胞や神経に栄養や酸素を供給し賦活することでアレルギ―症状を緩和します。星状神経節ブロックを実施すると翌年に症状が軽くなる予防効果もみられ、根治治療がないとされる花粉症治療において、治療と予防を兼ねた星状神経節ブロック療法は副作用もなく、まさしく「花粉症の切り札」といえます。飛散2カ月前頃から始めるとより有効で、薬だけでは十分な効果がみられない方や夜眠れない等重症の方に特にお勧めです。
【物理療法】
星状神経節へのレーザー照射は、星状神経節ブロックに近い効果がみられるため、注射に抵抗がある方にお勧めです。

 

 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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