日本ではあまりまだ知られていない「冬季うつ」についてお話したいと思います。
「冬季うつ」は、ヨーロッパでは非常に一般的な症状といわれています。
ヨーロッパは、緯度が高い国が多いため、冬場の日照時間も不足がちです。
英国では、国家的に冬季うつ対策をとる必要があるとまで問題視されており、国民人口の1割程度(500万人)が冬季うつと言われています。
そのため、公共施設で光療法が 受けられる場所があったり、ロンドンの科学博物館では 一般家庭の5倍の明るさを持つ照明を備えたライト・ラウンジスペースを つくって無料で開放したりしています。
ヨーロッパでは、日光浴する習慣や高照度照明器具が一般家庭まで広く浸透しています。環境から必然的に生まれた産物といえます。
日本人は冬季うつと気付かないのはなぜでしょうか?
●日本人は「冬季うつ」の存在をそもそもあまり知らない。
●冬場になると曇りがちの日本海側の地域や緯度が高い北海道の人は、そこで生まれ育って生活しているので冬場のうつ気分を当たり前のように感じ、ある程度、耐性ができていて、我慢して春になるのを待つ人が多い。
●光療法についてもあまり知らない。
このように、自分が冬季うつ状態とは気付かなかったり、春になると 回復するので我慢している人が多いようです。
また、冬季うつの治療は光療法が第1選択ですが、最初から抗うつ剤で治療しようとする方がいたり、冬場はうつ症状が辛くなりやすいので、そのような誤った治療を引き起こすのかもしれません。
これらを見ると、冬季うつはまだまだ日本では知名度が低くて理解されていないのかもしれません。
まずは、冬季うつを知ることから始めましょう!