クリニック通信ブログ

2012.09.08更新


<頚椎疾患の治療法>

今回は、以前クリニック通信で掲載しました『かわたペインクリニックにおける来院理由となる症状(上位10位)』第2位となった『頚椎疾患』についてお話したいと思います。

 頚椎は、頭(スイカの重さ、4~6kgくらい)を支える一方、脊髄を保護しつつ、腕を上方へ引き上げるという多様な機能を担っています。そのため、頚椎疾患の症状は、多岐にわたり首・肩・上肢・下肢の痛みや痺れなど様々な症状を訴えます。
主な二大頚椎疾患として、『頚椎症』は、頚椎(椎間板や頚椎関節や靭帯)の変化による症状をいいます。頚椎の変化は、主に加齢や外傷が原因で起こります。症状は急激に現れることなく、頚部の痛みから始まり、徐々に上肢(痛みや脱力感・疲労感など)や下肢(歩行障害や便秘・排尿障害など)の症状が出てきます。『頚肩腕症候群』は、頚~肩~腕にかけての痛み・凝り・痺れ・筋力低下・循環障害などの症状を総称して呼び、頚椎や周辺組織の老化や長時間の作業による筋肉疲労や姿勢の悪さ、心因性ストレスなどが原因で起こります。いわゆる肩こりや首の凝りも含まれます。
 当院では、頚椎疾患に対し、症状やご希望に応じて、次の治療法の中から選択して、適切な治療法を決定します。
① 薬物療法
症状に応じて、非ステロイド性抗炎症薬・中枢性筋弛緩薬・鎮痛薬・精神安定剤・ビタミン薬などの内服薬、貼り薬や塗り薬、漢方薬などを処方します。
②物理療法
頚部の圧痛点・経穴にレーザー照射やSSP(針治療と同様効果)、キセノン光による温熱療法、高周波(頚部の筋肉収縮)など。
③ 徒手療法
頚部関節矯正の関節アプローチ療法などの手技療法も取り入れ、様々な痛みに対応できるよう、新しい治療により、治療技術の幅を広げています。
④ 神経ブロック療法(当院における中心となる治療法)
☆トリガーポイント注射
頚部の圧痛点(痛みの引き金の場所=トリガーポイント)が明確な場合は、この場所に局所麻酔薬を注射することにより、痛みの悪循環を改善します。
☆星状神経節ブロック
神経根圧迫障害による症状に対しては、頚部にある星状神経節(頭・顔・首・腕・前胸部を支配する自律神経のかたまり)に局所麻酔薬を注射することにより、痛みの悪循環を改善します。
☆頚部硬膜外ブロック
上記注射で効果があまりみられない場合、硬膜外ブロック(硬膜外腔という脊髄神経の外にある空間に局所麻酔薬を注入する)を行い、痛みの悪循環を改善します。
 

 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.02更新

骨粗鬆症(こつそしょうしょう、osteoporosis)とは、骨形成速度よりも骨吸収速度が高いことにより、骨に小さな穴が多発する症状をいう。背中が曲がることに現れる骨の変形、骨性の痛み、さらに骨折の原因となる。骨折は一般に強い外力が加わった場合に起こるが、骨粗鬆症においては、日常生活程度の負荷によって骨折を引き起こす。骨折による痛みや障害はもちろん、大腿骨や股関節の骨折はいわゆる高齢者の寝たきりにつながり、生活の質 (QOL) を著しく低くさせます。

左の写真は、骨粗しょう症の患者さんとそうじゃない患者さんの骨密度の違いの写真です。上の写真が正常な骨密度、下が骨粗しょう症の患者さんの骨密度です。どうです。全然違うでしょう?
これだけ骨密度が薄いという事は骨折のリスクも高くなります。

日本では厚生労働省などによると、日本国内の患者は高齢女性を中心に年々増加しており、自覚症状のない未受診者を含めると、推計で1100万人超に上る。患者の8割は女性である。ホルモンの分泌バランスが変化する更年期以降の女性に多く、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が、患者になっている可能性があるとされる。
骨粗しょう症の怖い所は、初期段階に自覚症状はなく、骨折して初めて気付くケースも少なくないという所です。因みにアメリカ合衆国では3000万人に症状が現れていると考えられています。

兎角、日本において日本女性の大敵とも言える骨粗しょう症ですが、そんな骨粗しょう症は定期的な骨密度検査をする事骨密度によって薬物療法や食事療法、運動療法で予防が可能です。

当院では、骨密度検査を尿検査もしくは採血・血液検査の2種類どちらかで行っております。
一度、尿検査を選んだ場合は、定期的に尿検査で骨密度検査を実施していきます。何故途中で採血の方法に変えてはいけないのか?という理由は、検査結果に微妙ながらも差異が出る可能性があり、正確な数値が分からなくなってしまう可能性があるからです。
ですから、一度その手法を選んだら、途中で変更は出来ませんのであらかじめご注意下さい。

また食事療法ですが、
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨密度を増加させる栄養素を積極的に摂り、骨を丈夫にするのが骨粗しょう症の食事療法です。カルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。また、タンパク質の摂取量が少ないと骨密度の低下を助長しますので、食事量が少なくなりがちな高齢者の方は注意しましょう。
栄養やカロリーのバランスがよい食事を規則的に摂るのが、食事療法の基本となります。

・カルシウムを多く含む食品
牛乳、乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など
*骨粗しょう症や骨折予防のためのカルシウムの摂取目標量は、1日800mg以上です。

・ビタミンDを多く含む食品
サケ、ウナギ、サンマ、メカジキ、イサキ、カレイ、シイタケ、キクラゲなど

・ビタミンKを多く含む食品
納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツなど

になります。このような上記食べ物を積極的に摂取し、骨を丈夫にして骨密度の低下を防ぐ事が大事です。

また薬物療法となりますと、現在では4週間に1回服用する薬と1週間に1回服用する薬、1日1回服用する薬のタイプと3種類のタイプの薬があります。
どの薬のタイプを飲んでいたとしても効果はどれも変わりなく、4週間に1回だから効果が薄いのでは・・・?とかそういう事はまったくありません。患者様一人ひとりの生活リズムにあった服用スタイルを選べるので、当院では患者様と相談の上で、骨粗しょう症の予防、骨密度の低下を抑える治療に取り組んでおります。
また飲み忘れるのでは・・・?という心配も大丈夫です。最近は薬局さんでは骨密度のお薬専用手帳などもあり、薬を服用する日、服用したらシールを貼るような手帳もセットでお薬を出される際に出してくださる所もございます。
そういった事から、高齢者の方にも安心して定期的に飲んでいただけるようになっています。

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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