クリニック通信ブログ

2012.09.26更新

①硬膜外ブロックとは?

星状神経節ブロック、トリガーポイント注射とともにペインクリニックで最も多用される神経ブロック手技三本柱の一つである硬膜外ブロックは、硬膜外腔という脊髄の外にある空間に局所麻酔薬を注入し、脊髄から体中に張り巡らされた末梢神経を一時的に遮断(ブロック)して、痛みをとりのぞき、血液の循環を改善することにより、病気を治す治療法です。
②硬膜外ブロックの効果は?
硬膜外ブロックは、一時的に末梢神経の遮断を行います。特に、知覚神経と交感神経を遮断しますが、運動神経に対する遮断は軽微ですから、外来治療に多用されています。目的とする部分のみの遮断が可能で、頚部から足の指先まで何処にでも対応可能です。知覚神経を一時的に遮断することにより疼痛を緩和し、運動神経を遮断して筋弛緩作用をもたらし、交感神経を遮断して血行を改善します。
硬膜外ブロックは、特に血管を開く作用が顕著で、内服薬や静脈注射では得られない強力な作用があります。
硬膜外ブロックは、血流を改善させることにより、弱っている神経へ酸素や栄養を与え、神経が治るのを助けます。
③なぜ硬膜外ブロックは効くの?
局所麻酔薬の効果は通常約2時間くらいですが、硬膜外ブロックで神経を一時的に休ませることにより、痛みを慢性化させる仕組みである「痛みの悪循環」を遮断するため、効果が持続します。痛みがあると、その部位の血管が収縮し、筋肉が緊張します。その結果、血液の流れが悪くなり、痛みを起こす物質が生じ、さらに痛みを引き起こします。これを「痛みの悪循環」と呼び、この悪循環に陥ると、症状は慢性化し、もともとの痛みの原因がなくなっても、いつまでも痛みが取れなくなります。
④硬膜外ブロックの適応疾患は?
脊髄神経は頚部から足先まで支配しているため、硬膜外ブロックは頭部を除く全身の痛みによく効きます。例えば、ギックリ腰・椎間板ヘルニア等の腰痛症や頚・肩・上・下肢の強い痛みに非常に有効です。その他、
帯状疱疹後神経痛、反射性交感神経萎縮症等の交感神経を介する疾患にも有効です。
⑤かわたペインクリニックの硬膜外ブロックの特徴は?
硬膜外ブロックは、手技が複雑で、より高度な技術を必要とする治療法ですが、かわたペインクリニックでは、日々、医療技術の向上に努め、どこよりも細い針を使用し、注射の痛み軽減にも尽力しています。



投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.25更新

 
肋間神経痛は、背中から出て胸腹部に分布する肋間神経に起こる痛みです。痛みは、通常、右か左のどちらか一方に現れることが多く、針で刺されたような鋭い発作的な痛みが、繰り返し起こります。持続時間は短く、咳やくしゃみ、車の振動などわずかな揺れでも痛みが誘発されます。
発病は、中年以降に多い傾向にあります。
肋間神経痛は、症状を表す言葉で、原因は様々です。
胸椎椎間板ヘルニア、胸椎捻挫、高齢者の骨粗鬆症による胸椎の圧迫骨折、帯状疱疹ウィルスによる神経痛などがありますが、内臓の重大な疾患(腫瘍・胸膜炎・狭心症・肺炎等)が関係していることもあります。しかし、大半が検査ではわからない原因不明の肋間神経痛であると言われています。原因不明の肋間神経痛は、従来、神経の刺激によるものと考えられていましたが、胸椎の椎間関節、肋椎関節の機能異常や炎症であることが多く、ペインクリニック領域となります
肋間神経痛かな?と思ったら、自己診断せず、必ず、受診するよう心がけましょう。
<肋間神経痛の治療法>
① 薬物療法
炎症や痛みを抑える消炎鎮痛薬、湿布、神経組織を回復するビタミンB剤、帯状疱疹後神経痛に抗ウィルス薬、漢方薬、長引く痛みに抗うつ剤等。
② 神経ブロック療法
肋間神経痛が長引くようであれば、神経ブロックが有効です。痛みの原因となる神経に、局所麻酔薬(必要に応じ、炎症を抑える少量のステロイド剤)を注射する方法です。椎間関節ブロックは、肋間神経痛の中で最も多いとされる胸椎の椎間関節、肋椎関節に由来する痛みに大きな効果をあげています。
肋間神経ブロックは、肋間神経由来の痛みや圧迫骨折や帯状疱疹後神経痛等に有効。胸部硬膜外ブロックは、肋間神経痛の強い痛みに効果的で、胸髄の外側の硬膜外腔に薬液を注入し、神経をブロックします。
③ 理学療法
肋間神経領域に関連する椎間関節にレーザー照射・温熱療法によるキセノン、筋肉収縮により筋肉を和らげる高周波等。
④ 徒手療法(東洋医学)
非常に動きの少ない関節である胸椎椎間関節と肋椎関節の歪みを高度な手技で矯正する関節アプローチ療法なども効果的。
 
 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.25更新

かわたペインクリニックの心療内科の様子です!

心療内科担当守田先生です。
白と緑を基調とした明るい診察室で、視覚障害医師ならではのより繊細でより丁寧な診察をさせていただきます。
視覚以外の研ぎ澄まされたあらゆる感覚を駆使して、患者様の気持ちに寄り添う診察が評判です
心の痛みを感じたらぜひご来院ください
完全予約制となっておりますので、事前にお電話ください。





投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.24更新

<トリガーポイント注射について>

レントゲンや検査で異常所見がないにもかかわらず、長引くひどい肩こりや腰痛などの"慢性痛"は、なぜ起こるのでしょう?その原因は、トリガーポイントにあると言われています。トリガーポイントとは、痛みの引き金になる筋肉の硬縮部位(帯状のコリコリした硬い部分)のことです。
筋肉にかかるストレスが、筋肉に小さなキズを作り、周りの毛細血管を圧迫し、その結果、老廃物や痛みの物質を蓄積し、トリガーポイントを形成します。このトリガーポイントは、筋肉に関連した筋膜を通して、関連痛として違う部位にも、痛みを発生します。これは、痛みの部位から常に脳に痛みの信号が送られる結果、痛みの部位以外からも痛みの信号が送られていると脳が錯覚してしまうために起こります。
痛みがあると、その部位の血管が収縮し、筋肉が緊張します。その結果、血液の流れが悪くなり、痛みを起こす物質が生じ、さらに痛みを引き起こします。これを「痛みの悪循環」と呼んでいますこの悪循環におちいると、症状は慢性化していき、もともとの痛みの原因がなくなっても、いつまでも痛みが取れなくなるのです

マッサージでは届かない筋肉の深部にあるトリガーポイントが慢性痛の原因であることから、深部の筋肉にまでピンポイントで届く『トリガーポイント注射』は、慢性痛に非常に相性が良く、大変有効であると言われています。
トリガーポイントに局所麻酔剤を注射する『トリガーポイント注射』は、麻酔薬が神経の痛みの伝達を遮断し、一時的に神経を休めます。麻酔薬の効果は、2時間程度ですが、その後も効果が持続するのは、神経を一時的に休ませることにより、「痛みの悪循環」と呼ばれる"痛みを慢性化させる仕組み"を遮断するからです。
『トリガーポイント注射』には、次のような効果があります
①麻酔により痛みを感じなくし、脳への痛みの信号を遮断する
②痛みによる交感神経の興奮を抑え、血流を改善・増加させる

③改善された血流で痛み物質を洗い流し筋肉の緊張を和らげる

トリガーポイントと東洋医学のツボの位置が、ほぼ一致することから、トリガーポイントを刺激することにより、自律神経のバランスを整え、身体の様々な機能を向上し、自然治癒力を促進する働きもあります。
局所に狙いをさだめて注射し、少量の薬で即効性を発揮する『トリガーポイント注射』は、早く痛みを取りたい方、消炎鎮痛薬や理学療法が効かない方に有効です。長い間、慢性痛に悩まされている方は、是非、『トリガーポイント注射』をお試し下さい

 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.22更新

<アレルギー疾患の治療法>
  いよいよ花粉症の季節がやってきました。今年は前年より花粉の飛散量が多く、飛散時期も早まると言われています。

 花粉症をはじめとするアレルギー疾患は、現在では、国民の三人に一人は持っている現代病と言われ、"花粉症・アトピー性皮膚炎・気管支喘息"は日本の三大アレルギー疾患と言われています。
 人のからだには、体外から入ってきた異物(抗原)を排除し、からだを守る免疫機能があります。アレルギーとは、その免疫機能が過剰に反応を起こし、異常な症状や反応を示し、体に障害を与える病気です。つまり、アレルギーは、有害な免疫反応であり、免疫反応が自分の体に不利に働いてしまう病気です。
 アレルギーの原因は、遺伝の側面から考えられていましたが、現在では、戦後の日本の急激な生活習慣や環境(食生活・住宅・公害・ストレス)の変化など、様々な原因が重なっておこると言われています。アレルギーで心配なのは"体質だから仕方ない"と治療を諦めてしまう人が多いということです。アレルギーは"アレルギーマーチ"と言われる連鎖を起し易く、新たなアレルギー症状に進行することがあるので、根気強く治療を続けることが大切です。
《アレルギー疾患の治療法》
① 薬物療法
抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、漢方薬、ロイコトリエン拮抗薬、ステロイド薬、など。
② 星状神経節ブロック
星状神経節ブロックは、のどにある星状神経節(上半身を支配してる交感神経が集まる神経の中継所)に局所麻酔薬を注入し、交感神経を一時的にブロックすることにより、脳の視床下部の機能が改善され、全身の血液循環やホルモン分泌を正常化します。星状神経節ブロックは、本来人間が持つ自然治癒力を高めて、病気を快方へ向かわせる全身治療であるため、今まで決定的な治療法がなかったアレルギー症状を改善する画期的な治療法です。
③物理療法
星状神経節にレーザー照射(②と近似効果)


 

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.21更新

<変形性膝関節症の治療法>
  『寒くなると膝が痛い』『階段の上り下りの時に膝に違和感を感じる』という方多いのではないでしょうか?

これらは膝痛の初期サインです。
①約6割の人が膝に違和感
②4人に3人が膝の痛みを我慢
③要支援の原因で関節症は老衰に次いで第2位

日常生活に重大な影響を与えながら「年だから」と我慢する人も多い中高年の膝の痛み。その原因で最も多いのが、膝関節の軟骨が磨り減り、関節の炎症や変形を生じて強い痛みなどが起こる「変形性膝関節症」です。
 「変形性膝関節症」早期治療が大切で、早めの対処によって改善も期待できます。しかし、変形性膝関節症の特徴は、進行が非常にゆっくりであるということです。そのため往々にしてひどい痛みが生じるまで放置され易く、また「年のせいだから」と治療をあきらめてしまったり、自己流の治療をしてしまう方が多いと言われています。初期サインを見逃さず、膝に違和感を感じたら早期来院を心がけましょう。また、自立したシニアライフのためにも、膝の健康は大切な問題です。介護予防という観点から運動器の老化は避けられなくても、早期治療を受けることで障害にまで進行することは予防できます早期の治療で、心身ともに充実した自立したシニアライフを送りましょう
《変形性膝関節症の治療法》
① 薬物療法
炎症や痛みを抑える消炎鎮痛剤や抗炎症薬、
筋肉の緊張を和らげる筋弛緩薬、湿布・塗り薬等。
② 膝関節内注射 
変形性膝関節症に最適な治療法で、既に20年
の歴史を持つ広く普及した治療法です。注射することで痛みを抑えるだけでなく、病気の進行の抑制が期待できます。軟骨の成分であるヒアルロン酸を膝関節内に注入することにより、膝の動きを滑らかにし、痛みを軽減します。膝にたまった水を抜いたり、炎症を抑えるステロイド剤と局所麻酔薬の混合液を注射し、疼痛を和らげる場合もあります。
③物理療法
高周波(筋肉収縮)治療器やキセノン光による温熱療法、膝関節の圧痛点・経穴にレーザー照射など。
④ 徒手療法
膝関節矯正の関節アプローチ療法、

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.21更新

かわたペインクリニックの診察室の様子です!

患者様からもスタッフからも優しいと評判の院長が、丁寧に診察させていただきます。
患者様がリラックスして話しやすい対面式の診察室になっています。
院長に話を聞いてもらうだけで、痛いところを触診してもらうだけで、痛みが和らぐと患者様に言っていただくことがあります
痛みでお悩みの方はぜひご来院ください。




投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.20更新

<冷え症の治療法>
ペインクリニック領域の症状で今回は『冷え症』です。冷え症は、単なる体質だから仕方がないとあきらめている方も多いのではないでしょうか。しかし、現代人の8割が冷え症と言われ、切実な問題となっています。冷え症は、医学的に言えば"末梢血管の血行障害"、平たく言えば"血行不良"で、手や足など体の末端部分で血行が悪くなっている状態を言います。血管の収縮と拡張を受け持っている自律神経の調整が上手くできなくなって、手足の先の血行が悪くなり、冷え症になります。人間の体は、寒いと感じると毛細血管を収縮させて体温が外へ逃げないようにし、その後、今度は血管を拡張させて血液を送り込み、体表の温度が下がり過ぎないように調節する仕組みになっています。ところが、その調節がうまくいかず、血管が収縮したままになり、冷たくなってしまうのが冷え症です。また、ホルモンのバランスの乱れや低血圧、鉄欠乏性貧血、外的ストレス(エアコン・締付けのきつい服・ダイエットなど)などによっても、冷え症になり易くなります
 冷え症の症状は、血管収縮により、慢性的に細胞の栄養不足や酸素低下状態となり、その結果、頭痛・肩こり、疲れ易い・体力がない、肌荒れ・血色不良、腹痛・便秘・下痢、生理不順、足のむくみなどが生じます体温が一度下がると免疫力が30%以上も低下すると言われ冷え症は万病の元と言っても過言ではありません。あらゆる病気につながる冷え症を単なる体質とあきらめず、受診するよう心がけ、ますます厳しくなる寒さに備え、早めの冷え症対策を始めましょう。
《冷え性の治療法》
① 薬物療法
漢方薬、自律神経調整薬、向精神薬が効果的。
② 星状神経節ブロック療法
自律神経の調子を正常に戻すことにより、様々な症状を改善する星状神経節ブロック療法は、頚部にある星状神経節(自律神経が集まっている神経のツボ)に局所麻酔薬を注入する冷え症に最適な治療法です。
③ 物理療法
星状神経節にレーザー照射やキセノン光による温熱療法、筋肉を収縮させる高周波治療器、ハドマーによる下肢マッサージなど。
④ 徒手療法
関節の歪みによる血液循環悪化や冷え解消に関節矯正の関節アプローチ療法も効果的。

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.19更新

かわたペインクリニックのリハビリ機器の紹介④『SSP(エスエスピー)』です!

吸盤を貼り付けてツボに電気を流します。
針を刺さず、針治療と同様の効果があります。
血行を良くして、消炎鎮痛効果が期待できます。
適応⇒顔面神経麻痺、足痛、かかと痛、手痛など




投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.09.18更新

<自律神経失調症の治療法>
 来院理由として多くみられるペインクリニック領域の症状で、今回は『自律神経失調症』についてお話します。 

 『自律神経失調症』とは、精神的なストレスや気温変化等の外的刺激が長時間続くと、全ての器官を調整している自律神経がそれらを排除しようと頑張るあまり、体を守ろうと防御反応を起こして、自律神経がバランスを崩してしまい、全身の機能に支障をきたす病気です。自分の意思で制御できない無意識の働き(主に内臓)を掌る自律神経は、喉にある星状神経節に情報が一旦集められ、そこで情報を整理し脳の視床下部に送られますが、情報過多な状態だと整理されず混乱した状態で送られ自律神経失調症が生じます。自律神経失調症の原因と症状は一人一人異なり多彩であるのが特徴です。原因には、精神的・肉体的ストレスによるもの、日常生活のリズムの乱れによるもの、ホルモンの変調によるもの等様々な原因があり、それらが複雑に絡み合うこともあります症状も身体の各器官に様々な不調が現れ、肉体面・精神面、又は両方に出ることもあり程度も様々です。特に夏は暑さによる睡眠不足や冷房病と呼ばれる室内外の激しい温度差により、冷えやだるさ等の自律神経失調症状が生じ易いです。夏バテとあきらめず受診しましょう。
《自律神経失調症の治療法》
① 薬物療法
自律神経調整薬、抗不安剤、ビタミン剤、抗うつ剤、睡眠誘導薬、ホルモン剤、漢方薬(芍薬・黄連・抑肝散)など

② 星状神経節ブロック療法(最も適した治療法)
頚部にある星状神経節(自律神経が集まっている神経の中継所)に局所麻酔薬を注入する治療法です。自律神経の中継所である星状神経節に注射することにより、自律神経の調子が正常に戻り様々な症状が改善されます。自律神経失調症に最も適した治療法です。
③ 物理療法
星状神経節にレーザー照射やキセノン光による温熱療法、筋肉を収縮させる高周波治療器など。

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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