クリニック通信ブログ

2014.06.14更新

慢性疼痛に悩む患者様の中には、「痛みはあってはいけない」、「痛みをゼロにしなければならない」といった考えを持っていたり、「痛みが出ないため強まらないためにじっと横になっていよう」といった行動をとられている方がいます。
しかし、それらは不安の増強や痛みへの意識の集中につながり、さらに痛みを悪化させます。
前回お話ししました「神経の痛みの伝え易さ」、「脳の痛みに対する敏感さ」に影響する要因などを参考に、今の自分の状況を振り返り当てはまっていると思うもので、自分が主体となるところは、少しずつ変化させることを試みてみましょう。




投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2014.06.02更新

「神経の痛みの伝え易さ」、「脳の痛みに対する敏感さ」に影響する要因は、下記の通り、いくつか知られています。

<痛みを伝え易くし、敏感にするもの>
●萎縮性の変化、筋緊張、薬物乱用。
●痛みへの注意(=痛みへの意識の集中)。
●痛みは制御できないものという考え。
●不安・恐怖、怒り、うつ。
●過剰・過小な活動(少食・不健康行為・公私の不均衡)
●家族や友人からほとんど支援がない。あなたの痛みに注目しすぎたり、あなたを過剰に守ろうとする人。


<痛みを伝えにくくし、鈍感にするもの> 
★薬、手術、筋緊張の減少。
★気晴らし・外に意識を集中させること。
★痛みは制御できるという考え、予測管理可能という信念。
★気分の安定・リラックス・穏やかな気持ち・前向きな気分。
★適度な活動・前向きな健康習慣・公私の活動の調和。
★他者からの支援、家族や友人の適度な関わり、'適度な活動'を維持するように他者から勇気づけられること。





投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2014.05.26更新

痛みの強さは、病気やケガの程度に必ずしも一致せず、薬や治療の効果とは関係なく、何らかの条件や状況、出来事によってさらに痛みを強く感じたり、逆にましに感じたりするということを、前回の「慢性疼痛とは①~③」でお話ししました。とは

それでは、人は痛みをどのように感じているのでしょうか?

例えば"腰痛"で考えてみましょう。痛みの信号は、背骨の中の神経を伝って脳の中の痛みを判断するところへ伝えられます。
『腰→神経→脳』。実は、痛みの強さを判定しているのは脳です。
なので、痛みを感じる強さには、腰の病気やケガの程度の他に「神経の痛みの伝え易さ」、「脳の痛みに対する敏感さ」が大きく関わっています。
この神経や脳が関わっている痛みの部分を"心因性"とも言います。
"心因性"の痛みの部分は、決して"気のせい"という意味ではなく、感じる痛みは確かなものですし、逆に"心因性"であればこそ、どんなひどい痛みにもなり得ます。



投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2014.05.17更新

前回お話ししました通り、痛みの原因に気づくことが出来たら、次は痛みをコントロールする方法を習得しましょう。

自分で痛みをコントロールし痛みに支配される側から痛みを支配する側に立ちましょう。

痛みに対する脳の誤りに気づき、自分の考えと行動を変えて、脳のエラーを書き換える。
これが当院の慢性疼痛緩和プログラムの中の精神療法です。

不快な症状が続くと、誤った考え方や行動のクセが自然と身に付いてしまいます。
誤った自分のクセに気づき、症状の解消につながる新しい課題に積極的に取り組み、正しいクセを身につける。
これが当院の慢性疼痛を克服するための精神療法です。

身体の痛みなのに心理療法?
「私の痛みは心の問題じゃない!」
と思うかもしれませんが精神療法といっても慢性痛が 「心の病気」 と言う訳ではありません。


体の痛みを感じるのは脳であり、脳の認識が心です。
脳と体は相互に影響を及ぼし合っているので脳が関係しない痛みはありません。


慢性痛は体の痛みであると同時に痛みを学習してしまった脳の認識の病気なのです。
「痛みを感じるのは脳であり、痛みを治すのも脳なのです。」
いかに脳の認識を痛みから遠ざけ、痛みに執着せず忘れられるか、それが慢性痛を克服するためのポイントになります。


かわたペインクリニックでは他の「慢性疼痛緩和プログラム」も用意しています。
ぜひ、受診下さい。




投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2014.05.12更新

前回お話ししました通り、慢性痛のメカニズムを理解したら、次は慢性痛の誘因を考えてみましょう。

痛みに対する誤解や間違った対処法が、痛みを助長・増悪させています。
怪我などをした場合、肉体が損傷したという信号は末梢神経から脊髄を通って脳に到達します。
その信号が脳で痛みという感覚に作り替えられます。
その際に脳は脊髄のゲートを開けたり閉じたりし脳に到達する痛みの信号を調節しています。

抑うつや不安・怒りなどの否定的な感情はゲートを開き、より多くの痛み情報が通るようになり、前向きな感情はゲートを閉じて痛み情報を制限します。
そして、楽しい活動を増やすことでゲートを閉め脳へ行く痛み情報を減らすことができます。





投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2014.05.03更新

今回は、かわたペインクリニックの中の『慢性疼痛緩和プログラム~精神療法~』についてお話していきたいと思います。


まずは、「慢性疼痛のメカニズム」についてお話しします。

慢性痛は、もはや損傷を知らせる警告の役割が全く無い、無意味で不必要な痛みです。
痛みの警報を発する必要がないのに脳が勘違いしている状態です。
肉体の損傷の有無に関わらず痛みが続いている状態が 「慢性疼痛」 です。

痛みが続くと、条件反射のように脳が痛みを記憶してしまいます。
脳が痛みを覚えてしまうのは、 悪い意味で脳が痛みを学習し痛みがクセになってしまうからです。
このような記憶された痛みが 「慢性疼痛」 です。

痛みを正しく理解し、脳が覚えてしまった「痛い」という悪いクセを修正していく必要があります。





投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2014.04.15更新

今回は、慢性疼痛の痛みはコントロール可能ということについてお話ししたいと思います。

人が感じる痛みの強さは、生じている体の傷の量に直接的に関連しているという考え方がありますが、この理論では痛みは傷が治ればなくなるはずです。

しかし、この理論には当てはまらないことがいくつもあり、問題があります。

そこで、体の傷から脳に送られてくる痛みの情報量は「感情・思考・活動」などの色々な要素によって調整されるという考え方ができました。

多くの方は、痛みはコントロールできないと考えていますが、慢性疼痛の痛みは「感情・思考・活動」により増減することから「感情・思考・活動」をうまく取り扱うことによって痛みはコントロール可能であることがわかります。

長期間続く痛みは大変苦しいものですが、まずは、痛みが自分のコントロール下にあるということを認識することが重要です。

かわたペインクリニックでは、痛みをコントロールすることにより「慢性疼痛のサイクル」を断ち切る方法を指導しています。

ぜひ受診下さい。





投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2014.04.10更新

今回は、「慢性疼痛のサイクル」についてお話していきたいと思います。

痛みが長期間続くと、痛みに対する否定的な「感情」や自分自身を否定するような「思考」が現れます。

痛みが続くので「活動」が低下し筋肉は弱くなり、さらに全身状態が悪化する、という"痛みを悪化させるサイクル"が生じます。

研究によると、人の「感情・思考・活動」は疼痛に大きく影響し、否定的な感情や思考があると疼痛に注意が向きがちになり、その結果、さらに疼痛を感じ易くなることがわかっています。

慢性疼痛を抱えている人は、まずは「感情・思考・活動」がいかに痛みに影響しているかを知ることが、「慢性疼痛のサイクル」を断ち切るために非常に重要となります。




投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2014.04.06更新

今回は、「慢性疼痛」についてお話していきたいと思います。

まずは、痛みを持続時間という観点から、次のように分類しました。

1.痛みの分類(持続時間に関連した分類)
①「急性疼痛」

ある期間内で治るような疼痛のことをいいます。

骨折に関係する疼痛、軽度の火傷や切創など短期間で治る痛みをさします。

②「慢性疼痛」

数ケ月~数年の長期間持続する疼痛のことをいいます。

長期間改善しない身体的障害に関する疼痛や疾患の進行に伴う疼痛をさします。

慢性疼痛を抱えている人は、全国に約2700万人(5人に1人)いると推定されます。

その約7割が「痛みがあっても我慢するべき」と考えていると言われます。

通院経験者の約4割が複数回通院先を変更しているというデータもあります。

慢性疼痛は、長期休職の原因・人間関係に影響など個人的な問題だけでなく、医療費の増大・生産性の損失など社会的にも大きな問題です。


かわたペインクリニックでは、慢性疼痛の治療を行っています。あきらめず受診しましょう。




投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2014.03.25更新

神経の痛みの治療について、お話しします。

神経障害性疼痛は、一般的な鎮痛薬が効かないため、従来は難治性の痛みとされていました。
しかし、最近承認された神経障害性疼痛薬「リリカ}は「痛みを伝える物質の過剰放出を抑えることで痛みを和らげる作用」があります。
神経障害性疼痛の治療の第一選択薬として推奨され、様々な神経障害を伴う疼痛で悩む患者様のQOL(生活の質)向上に大きく貢献しています。
従来の疼痛治療剤とは、全く異なる作用機序を有することから痛み治療の新たな選択肢として大活躍しています。

但し、この神経障害性疼痛薬が有効な治療効果をあげるためには、医師によるきめ細かな指導と管理が必要です。
神経障害性疼痛は、医療機関で治療できる痛みで、当院では、きめ細かな処方が可能です。
あきらめないで早期来院しましょう。





投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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