クリニック通信ブログ

2012.11.10更新

漢方の生薬シリーズの第三弾「葛根(カッコン)」ですhappy01

皆さんに一番馴染みのある漢方ではないでしょうかsign02

風邪の引きはじめ『葛根湯(カッコントウ)』を飲まれた経験がありませんかsign02



葛根(カッコン)とは、字の通り、"葛(クズ)の根"、"マメ科クズの肥大根を乾燥したもの"です。

奈良と言えば、『吉野葛(よしのくず)』が有名ですが、和名の「クズ」という呼び名は,昔,大和(奈良県)の国栖(くず)地方の人が,この植物の根から精製した澱粉を売り歩いていたことから名付けられたそうです。
日本では古くから、クズの根から取ったクズデンプンに砂糖を加えた『葛湯(くずゆ)』が、風邪の初期や腹痛に用いられていたと言われています。

葛(クズ)は、山上憶良によって,万葉集に詠まれている秋の七草(ヤマハギ,ススキ,クズ,カワラナデシコ,オミナエシ,フジバカマ,キキョウ)の中にも含まれており、春の七草が食用にされる野草や野菜であるのに対して、秋の七草は、これらがすべて薬用植物であることは大変興味深いです。

産地は、 東アジアの温帯(日本・中国・韓国など)に広く分布します。.

 
●適用
カッコン(葛根)は、発汗作用、止渇作用、鎮痛作用があり、解熱、鎮痛薬、風邪のときの肩凝り・頭痛、筋肉の緊張、口渇(口の渇き)、下痢などに効果があるとされています。また、 骨粗しょう症の軽減、血中コレストロールの低下にも効果があるといわれています。

●配合される主な漢方処方
葛根湯,,桂枝加葛根湯,升麻葛根湯,参蘇飲,独活葛根湯 等

かわたペインクリニックでよく処方する 葛根湯(カッコントウ)は、初期の風邪や頭痛、肩こり、筋肉痛、手・肩の痛み、中耳炎・扁桃炎・リンパ炎などの炎症性疾患、じんましん、蓄膿症などを改善します。






投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.11.07更新


2ヶ月ほど前から茶道を始めました。
以前から興味があったのもありますが、茶道の考え方が医療に取り入れるといいのではないかという考えからです。茶道と医療についてはおいおいお話させて頂きます。

そのようなこともあってお茶に対してとても興味が出てきましたので、お茶の工場を見せてもらいにいく事にしました。京都の宇治にある丸久小山園というお茶屋さんの工場に行かせていただきました。

日本茶は、紅茶や烏龍茶とは違い発行させないお茶だそうです。茶の葉を摘んできたらまず蒸して発行を止めます。いろいろなお茶がありますが、大きく分けて緑茶や番茶などのグループと抹茶や玉露などのグループにわかれます。緑茶や番茶は日光を当てて育てたお茶です。抹茶や玉露は覆いをかけて日光を遮って育てた茶の葉を使います。ここから純度を上げていく工程がいくつも続きます。お茶ができるまでにとても手間がかかるもので高価なのが理解できます。

工場見学では抹茶を立てさせていただいたのですが、とても良く泡がたつのでその方法を教えてもらってきました。茶碗に抹茶を入れてそこにお湯を注ぎ茶筅(ちゃせん)で混ぜて泡立てます。初心者なのでどうしても綺麗な泡が作れなかったのでコツを教えてもらったら家でも綺麗に泡が立つようになりました。ポイントはお湯の温度を調節することでした。これがわかってとても満足です。

治療でも同じことが言えますが、ものを理解するというのは本だけではなかなかうまくいかないことも多いと思います。いろいろな方向にアンテナをはって多くの気づきを得られることがとても大切だと思います。気づいた瞬間というのはとても嬉しいものです。

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.11.07更新

毎月第2日曜日に開かれる関西東洋医学臨床研究会に行って来ました。
この研究会は、中国の先生で中医学のスペシャリストの先生が主催されているものです。
漢方のところではとても有名な先生です。

今回は頻尿のお話でした。
中医学の立場からだけでなく、西洋医学的な見方も含めて症状を捉えたお話でした。

ひとつの事象でも中医学という立場を考えて捉えると全く違った見え方がしてきます。
西洋医学だけにとらわれることなく、幅広い見方を身に着けていきたいものです。
日々、吸収していくことがたくさんあります。

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.11.05更新

クリニックで入手した漢方の生薬の第二弾ですsign03

これは、桂皮(ケイヒ)といいますup

"桂皮"と言われると馴染みがないですが、別名「ニッキ」「シナモン」と言えばご存知の方も多いと思いますscissors顔を近づけると確かに嗅いだことのあるシナモンの香りがしました。




桂皮とは、熱帯に生育する常緑樹クスノキ科ケイ(トンキンニッケイ)の幹または枝の皮(樹皮)を乾燥したものです。生薬として用いられるときに、桂皮(ケイヒ)〔別名・桂枝(ケイシ)〕と呼ばれ、その樹皮から作られる香辛料の名はシナモン、ニッキと呼ばれます

原産地は中国南部からベトナムのあたりにかけて、熱帯各地ではばひろく栽培され、香り高く、『スパイスの王様』と呼ばれます。世界最古のスパイスの1つといわれ紀元前4000年ごろからエジプトでミイラの防腐剤として使われ始めました。日本には8世紀前半に伝来しており、正倉院宝物の中にもシナモンが残されています(「桂心」という名称で、薬物として奉納された)。

●適用
桂皮は、古くから体をあたためる温熱の作用があるとされ、発汗・発散作用、健胃作用を持つ生薬として利用されています。その他、鎮静、鎮痛、抗菌、血圧降下、覚醒、胆汁分泌促進、抗ストレス効果があると言われています。桂皮は、中枢神経系の興奮を鎮静し、水分代謝を調節し、体表の毒を去りこれを和解する作用があるので、頭痛・発熱・のぼせ・感冒・身体疼痛などに応用されています。
 
上記により、かぜ薬,鎮痛鎮痙薬,解熱鎮痛消炎薬,動悸抑制薬,保健強壮薬,婦人薬,芳香性健胃薬とみなされる処方に高頻度で 配合されています。


●配合される主な漢方処方

当院では、関節痛・神経痛に桂枝加朮附湯、冷え症・月経痛・更年期症候群などに桂枝茯苓丸、感冒に桂枝湯・葛根湯などをよく処方します。

その他、 安中散,胃風湯,胃苓湯,,温経湯,黄耆建中湯,黄連湯,帰耆建中湯,桂枝加葛根湯, 桂枝加竜骨牡蛎湯,桂枝人参湯,桂麻各半湯, 堅中湯,牛膝散,五積散,五苓散,柴胡桂枝湯,柴胡桂枝乾姜湯,柴胡加竜骨牡蛎湯,柴苓湯,治打撲一方,炙甘草湯, 十全大補湯,小建中湯,小青竜湯,折衝飲,桃核承気湯,当帰湯,当帰建中湯,当帰四逆湯,当帰四逆加呉茱萸生姜湯,独活葛根湯,女神湯,人参養栄湯,八味地黄丸,麻黄湯,,苓桂甘棗湯,苓桂朮甘湯 等があります。


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~腰痛・肩こり・帯状疱疹後神経痛でお悩みの方はかわたペインクリニックへ~
医療法人 良仁会
かわたペインクリニック
TEL:0742-53-1155
Mail:toiawase★kawata-cl.jp(★を@に変更してメールして下さい。スパム対策です。)
〒631-0036
奈良市学園北1-9-1
パラディII 5F
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投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.11.01更新

当院は、11月1日をもちましてお蔭様で9周年を迎えました。
今後とも痛みの専門クリニックとして、地域の皆様に愛されるクリニックを目指して努めて参ります。よろしくお願いします。





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投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.11.01更新

難波にある戎橋商店街の町おこしでいろいろな体験ができるイベントがありました。その中で篆刻彫りの体験に応募してあたったので参加してきました。はんこを自分で彫るというものです。

篆刻(てんこく)というのは印章を作るという意味です。現在使われている漢字には篆書(てんしょ)、隷書(れいしょ)、草書、行書、楷書の5体があります。この内、篆書が印章などに使われています。篆書体で河田圭司とかくと写真のようになります。これをもとにしてハンコを彫っていきます。

彫り上がったハンコです。



赤い方ができたハンコをおしたもので、黒で書いた方が彫るために書いた下書きです。



はじめての体験教室でしたが誰でもできるように教えていただいてそれなりにできたのでとても満足です。新しいことをするのは好きです。持っていない技術を身に付けるのはとても満足感があります。痛みの治療の新しい技術を導入するのも同じような感覚があります。

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.10.29更新

漢方の生薬って見たことありますか?

当院に漢方の生薬が手に入り、スタッフも見せてもらいました。

これは甘草"カンゾウ"です!




カンゾウ (甘草)とは...
文字通り、「甘い草」です。少しかじってみたらやはり甘かったです!
地下部には,ショ糖のおよそ150倍の甘味を有するといわれているグリチルリチン酸を多く含みます。
東洋・西洋を問わず、紀元前から薬として用いられています。
ヨーロッパでも古くからデオプラストスやヂオスコリデスにもその記載が認められたり、日本にも奈良時代のころ、唐文化とともに渡来し、正倉院にも保存されています。また、醤油や菓子などの甘味料としても大量に消費されてます。

●適用
かぜ薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮痛鎮痙薬、鎮咳去痰薬、健胃消化薬、止瀉整腸薬とみなされる処方に配合されていまます。

また、緩下、解毒薬、腹痛、筋肉痛、咽喉痛、リュウマチ関節痛、アレルギー、アジソン氏病などにも応用されます。

急な痛みを、一時的に緩和するので、常時備えておくと便利です。
夜中突然激しい痛みを訴たえたときに、2~3gを煎じて服用したり、また収斂性があるのでトゲ抜きや、咽喉炎、咳、痰、声のかれなどに、適量の煎液でうがいをすると、喉の痛みがやわらぐと言われています。

甘草の効能、効果について、ガン予防や肝炎、胃潰瘍にも優れた効果のある事が学会などで発表されました。

甘草の有効成分であはグリチルリチンは、急慢性肝炎、抗炎症、じんましんなどの抗アレルギー剤としても販売されてます。 これまで、肝臓病に特効薬はないといわれてきましたがこのグリチルリチンは肝臓病に有効であることがわかってきました。

●配合される主な漢方処方
 有名なところでは、 葛根湯、小青龍湯、芍薬甘草湯、甘草湯、小柴胡湯などがあります。

当院ではこむら返り(ひらめ筋の痙攣)に「芍薬甘草湯」をよく処方します
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」は、急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛や下肢のけいれん性疼痛(こむらがえり)等に用いられています。

 その他、安中散、胃苓湯、黄耆建中湯、黄連湯、乙字湯、甘草瀉心湯、甘麦大棗湯、 桔梗湯、帰耆建中湯、響声破笛丸、杏蘇散、駆風解毒散(湯)、荊芥連翹湯、桂枝加葛根湯、桂枝湯、桂枝人参湯、桂麻各半湯、堅中湯、香砂平胃散、香砂養胃散、 香砂六君子湯、香蘇散、五虎湯、五積散、柴陥湯、柴胡桂枝湯、柴胡清肝湯、滋陰降火湯、滋陰至宝湯、四逆散、四君子湯、治打撲一方、炙甘草湯、十味敗毒湯、潤腸湯、小建中湯、升麻葛根湯、清肺湯、蘇子降気湯、大黄甘草湯、調胃承気湯、桃核承気湯、当帰建中湯、当帰四逆湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、独活葛根湯、二朮湯、人参湯、排膿湯、麦門冬湯、半夏瀉心湯、平胃散、加味平胃散、補中益気湯、麻黄湯、麻杏甘石湯、抑肝散、六君子湯、 苓姜朮甘湯、苓桂朮甘湯...
 等に幅広く処方されています。

お悩みの症状がある方は、一度ご相談ください。


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投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.10.28更新

内科の清美先生と東洋医学会関西支部会に参加
今日は当院の内科の清美先生と一緒に東洋医学会関西支部会に参加しました。

東洋医学会は主に漢方薬、鍼灸治療による治療の学会です。
千里中央の駅の近くの会議場で行われました。

興味深い企画がありました。
一人の先生が症例を提示し、それに対して3人の東洋医学の有名な先生がその症例について東洋医学的に分析して漢方薬を決定する過程の違いを比較するというものです。

提示された症例は実際にあったもので漢方薬を色々と処方して最終的に良くなったもので、"回答"のようなものが一応用意されているけれども、その処方は知らされていません。

3人の先生がそれぞれに処方の組み立て方を詳しく解説されて最終的には「自分ならこの漢方で」というものを導いていく過程はどの先生も見事なものでした。
 
東洋医学は独自の考え方があり一つの医学体系ですので、少し勉強したらすぐできるものではありません。少しずつ自分で納得の行く考え方ができるように日々精進して行こうと思います。

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.10.27更新


今日は主に関西のペインクリニックの診療所をしている先生たちが集まる研究会に参加してきました。

この会は年に2回大阪で開かれる会で痛みに関する講演が行われます。
今回は最近認可された新しい鎮痛薬の話題です。
大阪医科大学の麻酔科の教授のお話でした。

トラムセット、リリカ、ノルスパンテープ、サインバルタという
ここ2年くらいで次々と厚生労働省に認可された薬の有効例や、その効果の
学術的な理論をわかりやすく説明されていました。

当院でも毎日処方している薬ですが、こういう形で他の先生の処方の仕方
を見せていただくと同じ薬でもまた違う使い方が見えてきます。

また、海外の鎮痛薬の使用状況から、近い将来日本で使われ始めるであろう
薬剤を予想されておられたことは非常に興味深い話でした。

鎮痛薬は単に薬の能書に書かれているとおりに処方しているだけでは
その薬の良さを引き出すことができません。うまく使うためにたくさんの
情報をあつめて応用していくことが大事だと思います。

投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

2012.10.24更新

日本ではあまりまだ知られていない「冬季うつ」についてお話したいと思います。

「冬季うつ」は、ヨーロッパでは非常に一般的な症状といわれています。
ヨーロッパは、緯度が高い国が多いため、冬場の日照時間も不足がちです。

英国では、国家的に冬季うつ対策をとる必要があるとまで問題視されており、国民人口の1割程度(500万人)が冬季うつと言われています。



そのため、公共施設で光療法が 受けられる場所があったり、ロンドンの科学博物館では 一般家庭の5倍の明るさを持つ照明を備えたライト・ラウンジスペースを つくって無料で開放したりしています。
ヨーロッパでは、日光浴する習慣高照度照明器具が一般家庭まで広く浸透しています。環境から必然的に生まれた産物といえます。

日本人は冬季うつと気付かないのはなぜでしょうか?

日本人は「冬季うつ」の存在をそもそもあまり知らない。
冬場になると曇りがちの日本海側の地域や緯度が高い北海道の人は、そこで生まれ育って生活しているので冬場のうつ気分を当たり前のように感じ、ある程度、耐性ができていて、我慢して春になるのを待つ人が多い。
光療法についてもあまり知らない。

このように、自分が冬季うつ状態とは気付かなかったり、春になると 回復するので我慢している人が多いようです。

また、冬季うつの治療は光療法が第1選択ですが、最初から抗うつ剤で治療しようとする方がいたり、冬場はうつ症状が辛くなりやすいので、そのような誤った治療を引き起こすのかもしれません。

これらを見ると、冬季うつはまだまだ日本では知名度が低くて理解されていないのかもしれません

まずは、冬季うつを知ることから始めましょう!


投稿者: 医療法人良仁会 かわたペインクリニック

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